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( ^ω^) ブーンが雪国の聖杯戦争に挑むようです 第3話 

121 : ◆IUSLNL8fGY:2012/05/05(土) 16:20:44 ID:Xm/VcOpw0

深夜を迎え、空が白み始めてきたその頃、山を降りる女性がいた。

黒のドレスを身に纏い、夜そのものと同化したような彼女は木々を抜け、
コンクリートに囲われた10丁目通りを進む。

川 ゚ -゚)

その姿は幽鬼さながら、生気といった物が感じられなかったが、
女性の相貌は花も恥じらうほどの美しさといった様で、
裸足でアスファルトの上を歩く彼女は見る者があれば魅了したことであろう。

人外の美貌を持つ"吸血鬼"、クーは交差点まで歩き続けると目的の物を見つけた。

(* ー )

川 ゚∀゚)

道端に打ち捨てられたシィの亡骸を見つけると、
クーは口を大いにに歪め、人ならざる笑みを浮かべる。

妖しくも邪気を発露させる笑顔で、一言。

川 ゚∀゚) 「イタダキマス」

そう発するが早いか、遺体に跨ると首へかぶりついた。
真っ赤な口から覗かせる白い八重歯は獰猛な肉食獣を思わせ、
体温を失った柔肌を食い破り、肉の味を堪能しながら租借する。


122 : ◆IUSLNL8fGY:2012/05/05(土) 16:21:34 ID:Xm/VcOpw0

川 ゚~゚)

ぐっちゃぐっちゃ。

野性味の溢れる音を響かせて、喉を鳴らせるなりもう一口。
1分と経たずにシィの顔は"顔"を失っていき、
目玉まで食らわれて白骨をクーへ晒した。

川 ゚~゚)

目玉を口の中で弾けさせ、濃厚な鉄の味と弾力を楽しんだ彼女は、
シィの頭蓋を路面に叩きつけてかち割っていき、
そこから露わとなった紫色の血管が張り巡らされ、皺の刻まれた黄土色の脳を拝む。

租借していた物を飲み下すと、ぶよぶよとしたそれを手にとって、
脳幹を引きちぎって口の前へと持っていった。

川 ゚ -゚)

丸っこいそれは弱々しく脈を未だに打っており、
鼻を突くような異臭を放つ。
鼻腔を満たすのは吐き気を催すような濃密な血の臭いだ。


123 : ◆IUSLNL8fGY:2012/05/05(土) 16:22:34 ID:Xm/VcOpw0

しかしクーにとっては肉汁ほとばしるステーキのジューシーな香りと同意である。

川 ゚∀゚)

芳しい匂いを嗅いだ顔からは笑みがこぼれ、
血液と肉片を散らせて彼女は脳を貪っていった。

川 ゚ー゚)ー3 「ゲフゥ……」

満腹となったのか、彼女の血に塗れ赤黒くなった顔からは幸福さが読み取れた。

まるで、腹をすかした子供がご馳走を平らげたかのよう。
いや、人間にとってはおぞましい光景にしかすぎないのだろうが、
彼女にとってはシィの遺体は紛れもないご馳走に違いなかった。

川 ゚ー゚) 「マジュツシダッタノカ。ドウリデウマカッタワケダ。
      マリョクガメグッテイクノヲカンジル」

魔術師を食らう事でクーの身体に魔術刻印と回路が取りこまれ、
それがそのまま彼女の力となっていったのだ。

魔術刻印は魔術師の家に生まれ、家督を継いだ者へと代々譲渡されていき、
先祖の作り出した魔術回路や魔術を引き継いでいく。
そして受け継いだ者は己の研究の成果をまたそれに刻み、次の代へと託していくのだ。

次代を繋いでいくにつれ魔術刻印は強化され、より強力な物となって魔術師の家系を支えていく。

長い歴史を持つ家系ほど優秀な魔術師を生み出すことが出来るということで、
その事実は歴史の浅い家系を持つ魔術師達が軽視される実体を作り出していた。


124 : ◆IUSLNL8fGY:2012/05/05(土) 16:23:28 ID:Xm/VcOpw0

しかし、そんなことはクーにとっては関係なく、
シィの家、ルボンダールの魔術刻印を体内に取り込んだことで、
パワーアップ出来たという結果だけが重要だった。

川 ゚ -゚) 「ムシドモ、ザンパンハキサマラニクレテヤル」

魔術師の肉は美味い。

そう学んだ彼女は食い散らかした遺体の残りを体内に巣くう、
"魂蟲"という魔術によって生み出された虫達に食わせてやる。

蛆が湧くように遺体へ群がる魂蟲達を傍目にし、

川 ゚∀゚) 「サテ、イッスイシタラマジュツシドモヲクイニイコウカ」

朝陽の昇り始めてきた空に舌打ちをするとクーは笑みを浮かべた。

美味い食事を人間と同じく吸血鬼も好む。
骨まで虫に食らわせ、地面に零れた血の一滴まで吸い尽くさせた彼女は、
太陽の届かぬどこか暗い所へと消えていく。

シィの敗退とアサシンのマスター交代。
そして、クーの食事によって聖杯戦争の第一夜は明けていった。


125 : ◆IUSLNL8fGY:2012/05/05(土) 16:24:27 ID:Xm/VcOpw0

******

カーテンから微かに漏れ出る朝陽がブーンの目を刺激する。

( ´ω`) 「……」

眩しさに瞼を抑えながら、彼は気だるい身体をベッドから起こした。

4畳ほどの空間にはベッドや机、テレビなどが置かれており、
本棚の空いたスペースには少林寺拳法の大会で取ったトロフィーや、
家族や友人達との思い出の写真が飾られている。

昨夜アーチャーを召喚したものの、戦力外通告を彼に突きつけられ、
家を飛び出されてしまった後、ブーンは自室に籠りきっていたのだ。

数々の自問自答を繰り返し、苦悶している内に彼はこうして朝を迎えてしまった。

( ´ω`) 「僕に……マスターになる資格はなかったのかお?」

ブーンは自らのサーヴァントにかけた言葉の一言一句を思い返しては、後悔して過ごした。
サーヴァントは使い魔と言えども元を辿れば英霊であり人間だ。
アーチャーという人間が生きた時代への理解が、彼には足りなかったのだ。

英雄と呼ばれた者であれば己の戦いを誇りに思っていてもおかしくは無い。
だが、アーチャーと対面した時にブーンは肌で"何か"を感じ取ったのだ。
この英霊ならば己を理解してくれるのかもしれないという、錯覚に陥るような"何か"を。

だが、それに甘えたブーンの直情的な言葉が引き金になったのは確かなことであった。


126 : ◆IUSLNL8fGY:2012/05/05(土) 16:25:25 ID:Xm/VcOpw0
( ´ω`) 「学校……行くかお」

苦悩していても時間は過ぎていく。

ブーンは習慣に従い、制服に袖を通していくと身だしなみを整え、
教科書など必要な物をメッセンジャーバッグにしまっていくと一階へ降りる。

J( 'ー`)し 「おはよう、ブーン」

( ´ω`) 「おはようだお、かーちゃん……」

リビングには彼の母がいた。

いつものように朝食を並べたテーブルに向かって座る彼女の表情は穏やかで、
息子を見る瞳は一見しただけで彼の異変に気付いたのか、

J( 'ー`)し 「サーヴァントの召喚、上手くいったのかい?」

( ´ω`) 「召喚は出来たお……でも……」

J( 'ー`)し 「でも?」

( ´ω`) 「……」

「学校で何かあったのか?」とでも言うような口振りで尋ねる。
そんな母にブーンは昨夜の失態を語ることは躊躇われた。

父を失って以来、自分に夫の望みを託し、
期待して見守ってきてくれたはずの母に申し訳が立たないのだ。
ブーンの胸を薄暗いものが覆っていき、己へ更なる嫌悪が募っていく。


127 : ◆IUSLNL8fGY:2012/05/05(土) 16:26:09 ID:Xm/VcOpw0

J( 'ー`)し 「ブーン、アンタはね、とーちゃんとかーちゃんの自慢の息子だ。
      私はねぇ、アンタを信じてるよ。命がある限り何度だってやり直しは効くよ」

( ´ω`) 「かーちゃん……」

J( 'ー`)し 「だけどね、アンタがそんな顔をしてる内はやり直しなんて出来るわけがない。
      シャンとしなシャンと! 背筋曲がってるよ!? 猫背は折角の男前を代無しにしちまう」

( ´ω`) 「……ごめんお」

J( 'ー`)し 「だから背筋ピンとして、ごはん食べて気分でも変えなさい。
      さっ、冷めないうちに食べましょう」

( ´ω`) 「わかったお……いただきます」

叱咤されたものの、ブーンの顔にさした影が消え去ることは無い。

しかし、言われたままに彼は箸をとり、ほかほかと湯気を立てる白米を口へ運ぶ。
重い気持ちのまま租借していくと口の中にほのかな甘みが広まっていった。

( ´ω`) 「……」

無言のまま食事を進めていくが、食卓に並べられた味噌汁の香りや、
鮮やかな鮭の紅色が彼の五感を刺激していき、
それらの旨みは疲弊していた心に微かな喜びを味わわせる。


128 : ◆IUSLNL8fGY:2012/05/05(土) 16:26:53 ID:Xm/VcOpw0

( ^ω^) 「……」

いつも通りの母の味だ。

何の変哲もないただの朝食の風景。
だが、掛け替えの無い物である。

ブーンは穏やかなこの空気に癒され、料理に食欲を掻きたてられた。
人間とは単純なもので、食事によって与えられる幸福感で嫌なことを一時忘れられるのだ。
立ち直った、とまでは言えない物の、彼は普段通りの表情を作れるようにはなった。

J( 'ー`)し 「ブーン、美味しかったかい?」

母は、人間と言う物を良く知っていた。
何より、自分と夫の息子の持つ強さをよく理解していた。
彼女は絶望に打ちひしがれた時の夫のことを思い返しながら、ブーンへ尋ねる。

( ^ω^) 「うん、美味しかったお。ご馳走さま」

朝食を平らげたブーンは微笑みを返し、立ち上がると、

( ^ω^) 「それじゃあ、学校へ行ってくるお」

J( 'ー`)し 「そうかい、まだ寒いから暖かい格好していくんだよ」

わかったお、と短く答えたブーンは自室へ上がり、
青と白のスタジアムジャンパーを羽織り、
茶色のメッセンジャーバッグをかけて戻ってくると、玄関へ進んでいく。


129 : ◆IUSLNL8fGY:2012/05/05(土) 16:27:41 ID:Xm/VcOpw0

( ^ω^) 「いってきます」

J( 'ー`)し 「いってらっしゃい」

背筋を真っ直ぐと伸ばして外へ出ていくブーンを、母は見送った。
聖杯戦争の行われる土地で、平素通りこうして日常は繰り広げられていく。

だが、ブーンの脳裏にはやはりアーチャーのことが引っかかっていた。

( ^ω^) (学校に向かったは良いもの、途中で他のマスターに襲われたら……)

背筋に冷たいものを覚えるが、アーチャーの言葉が蘇る。


(<`十´> 『ではな、マスター。何かあれば令呪で呼ぶがいい』


手袋を脱ぎ、令呪を隠す包帯を見やる。
たしかに令呪をいつでもアーチャーをこの場にすぐさま呼びだす事が出来るが、
そんなことの為に貴重な三回限りの令呪を使用していいものなのか……。

溜息を吐かざるを得なかった。

三回とは言えども、サーヴァントへの命令権を失えば制御することは出来なくなってしまう。
同時にマスターとしての資格を失うことになるからだ。

実質、二回限りの絶対命令権。これをただ呼ぶ為に使うなど、愚の骨頂と言っても良いだろう。


130 : ◆IUSLNL8fGY:2012/05/05(土) 16:30:07 ID:Xm/VcOpw0

( ^ω^) (まぁ、仕方ないおね)

そう断じることが出来るようになるほど、今のブーンは前向きな姿勢を取り戻せた。

「我に従え」などという、漠然とした命令では令呪の効力を最大限に発揮するには至らないのだ。
「次の攻撃を全力で放て」というような単純明快な命令であって、初めて令呪は十全に機能する。

( ^ω^) (でも、いざとなったら背に腹はかえられないお。
       それにアーチャーを呼んだら、説得のチャンスだお。
       気持ちを切り替えないと……)

胸の内に決意を固めると、ブーンは北24条通りにある
東区役所方面と栄町駅方面に分かれる交差点に友人の姿を見かけた。

( ^ω^) 「おはようだお、ショボン!」

駆け寄って声を掛けるとショボンは振り返り、

(´^ω^`) 「昨夜はお楽しみのようでしたね」

にやけた憎たらしい面を見せてきた。
昨夜、という単語にブーンは動揺するが、
魔術師でも魔術使いでもないショボンが聖杯戦争を知る筈がない。

(;^ω^) 「な、なんのことだお……?

(´^ω^`) 「付き合った翌日にセックスするのは当たり前じゃないですか~。
      最近の若者の性は乱れてますからね~。で、どやったんや? どやったん?
      あのツンデレ娘は夜はどんなデレを見せてくれたんや?」


131 : ◆IUSLNL8fGY:2012/05/05(土) 16:30:50 ID:Xm/VcOpw0
(;^ω^) 「し、知らんお。昨日のことかお?」

昨日、ツンに呼びだされたことをショボンは誤解していた。
しかし、昨日と言ってしまったはいいものの、
どう誤魔かせばいいのかブーンは困ってしまう。

(´^ω^`) 「おう? おうおう、そうかそうか。
      "付き合ってるのは二人だけの内緒ね!"
      パターンですか。それじゃあ話せないのも納得ですな」

(;^ω^) 「誤解だお! ちゃんと話せばわかってくれるお。
        だから、ちょっと黙って話を聞いてくれお!!」

三(´つω;`) 「裏切ったな! 僕の気持ちを裏切ったな!!」

嘘泣きを交えて学校へ走り去るショボン。

立ちつくすブーンを見た登校途中の生徒は口々に、
「ホモ?」「カップルだったの?」「キモッ」「ホモォ……」など、
更なる誤解を招きかねない言葉を連ねていった。

(;^ω^) 「まっ、待つおショボン! 勘違いさせるようなことすんなお!!」

見事にショボンの策にかかったブーンは、慌てて後を追った。
短距離走では校内一の記録を保持する彼は、あだ名の起源となる、

⊂二二二(;^ω^)二⊃ BoooooooN!!

"ブーンフォーム"と呼ばれる姿勢を取って、校内最速を誇る全力疾走を道行く人々へ見せつけた。
ショボンに追いつくのに5秒も掛からず、


132 : ◆IUSLNL8fGY:2012/05/05(土) 16:31:57 ID:Xm/VcOpw0

───────── ― - --
─── /⌒ヽ, ─────────
 ̄ ̄  / ,ヘ  ヽ/⌒ヽ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄   , ” ' ‐ ,
 ̄ ̄ i .i \ (#^ω^)ヽ,   ___,, __ _ ,, - _―" ’.  ' ・,  ’・ ,  /∧_∧
── ヽ勿  ヽ,__    j  i~""     _ ― _: i ∴”_ ∵,          ))
______   ヽ,, / / __,,, -- "" ─ "ー ・, ; ; - 、・   r=-,/⌒  ~ヽ~,
───────  ヽノ ノ,イ  ─── ― -            i y  ノ' ノi j |
───────  / /,.  ヽ,  ──                i,,___ノ   //
______   丿 ノ ヽ,__,ノ ___ _ _ _           ,'    ゝi
           j  i                        /   y ノ
_____    巛i~ ____ _             /    /~/
                                   i   < /
───────                          ヽ,  \
         _  _                          / ヽ_  )
────  // | | 巛             r、  r、       i (~_ノ
       //   | |    ===┐     | |  | |      ノ  /
      //   | |        | |     !」  !」      ノ  /
      ~    ~        | |      O  O   (~   ソ
               ===┘            ~ ̄


133 : ◆IUSLNL8fGY:2012/05/05(土) 16:33:54 ID:Xm/VcOpw0

背を捉えるなり速度重視の飛び蹴りを横っ面に炸裂させた。

綺麗な弧を描いて宙を舞ったショボンは、柔道を幼い頃から学んでいる経験から、
これまた綺麗な受け身をとり、

(メ;)´^ω^`)v 「許してだっちゃダーリン☆」

足跡をつけた頬をブーンへ向けて笑みとピースを送る。

(;^ω^) 「呆れて物も言えないお……」

その後、紆余曲折あって校門の前で登校途中の生徒を待ち構え、
選手宣誓のごとく彼らは「僕達はホモじゃありません」宣言をするのだが、

ξ゚⊿゚)ξ 「あぁ、そう」

ツンの残冬にも負けぬ凍てつく視線と言葉を浴びせられると、
元通りのテンションになってとぼとぼと教室へ向かい、
何事も無かったかのようにホームルームを待った。

( ´ー`)「はーい、日直ー」

間延びした声でクラス全員に、教室に入ってきた担任のシラネーヨは言う。

日直が起立と礼と言い放つとクラスメイト達は従った。
規律のとれた、模範的な高校生と言えよう。


134 : ◆IUSLNL8fGY:2012/05/05(土) 16:36:07 ID:Xm/VcOpw0

( ´ー`)「おはようだーよ」

ほぼ自動化されたように黒い出席簿を開いて点呼をとると、
ホームルームを始めていくがなんら変わり栄えもするものはない。

しかし、

( ´ー`)「昨日の夜、寝ようと思ったらクマかなんかの鳴き声が聞こえたんだけど、
      お前達にも聞こえたか? 大きかったんだけど、ニュースにもなってないし……」

ξ゚⊿゚)ξ 「……ッ」

シラネーヨの何気ない、もしかしたら寝ぼけて聞こえただけかもしれない、
そんな話にツンは引っかかるものがあった。

シラネーヨの自宅は聖杯の設置された札幌神宮の近くにあり、
その一帯となる円山はマナが一際豊富なので、サーヴァントの召喚にはもってこいの場所だ。

聖杯は魔方陣と器によって、大聖杯と小聖杯によって分かれる。
大聖杯となる魔方陣は札幌神宮の地下に敷かれており、
今は亡き父、モララーの推測では円山のマナがそこに流れ込んでいるのだという。

聖杯の異常か、召喚されたサーヴァントによる物か。
ツンには、シラネーヨの口振りからして後者であると判断した。

で、あるのならば、クマの鳴き声といった情報から、
恐らくは、理性を失ったバーサーカーが獣じみた叫びを上げたのだろうと答えを導き出す。


135 : ◆IUSLNL8fGY:2012/05/05(土) 16:37:38 ID:Xm/VcOpw0

ξ゚⊿゚)ξ (たぶん、円山のほうにバーサーカーとそのマスターがいるのね。
      所構わず叫び出すバーサーカーなんて、一体どれほどの狂化スキルなのかしら)

更に推測していき、ちらっとブーンのほうを見て溜息をついた。


( -ω-) Zzz


ξ∩⊿-)ξー3 (バカ……)


彼は既に眠っていたのだ。

他のマスターがいるにも関わらずのこのこと学校に現われ、こうして無防備を晒す。
自分はなめられているのだろうか、とツンは憤りそうにもなったが、
呆れてそんな気にもなれなかった。

一晩中葛藤し、眠れなかったブーンは睡魔に勝てなかっただけなのだが、
それを抜き差ししても彼には緊張感が足りなかった。


136 : ◆IUSLNL8fGY:2012/05/05(土) 16:38:27 ID:Xm/VcOpw0

ツンはそんな背景は知る由もなかったのだが、

ξ゚⊿゚)ξ (私が手段を選ばないような輩だったらどうするってーのよ。
        アンタ今頃、私の魔術かサーヴァントにミンチにされてるのよ?)

ξ゚ー゚)ξ (全く、抜けてんだから……)

幼馴染の情ゆえか、彼に敵愾心を抱くことはなく、
それどころか自分自身のささくれ立った気持ちが癒されているのを、
心のどこかでは感じていた。


だが―――――


ξ゚⊿゚)ξ (聖杯を取るというのなら、話は別よ)

冷たい仮面で優しさの暖かみを覆い隠し、ツンは決意を固めていた。


137 : ◆IUSLNL8fGY:2012/05/05(土) 16:39:49 ID:Xm/VcOpw0

*******

('A`) 「状況を確認する」

円山のマンションの一室。

リビングに置かれたテーブルへ向かい、
ドクオ達インビジブルワンはソファに座っていた。

('A`) 「聖杯戦争の概要について、まずはおさらいしていこう」

('A`) 「聖杯戦争とはあらゆる願いを叶える聖杯という魔術礼装を奪い合う戦いだ。
    聖杯は地脈から魔力を溜めこみ、7人の魔術師に令呪を与え、サーヴァントを各々に与える。
    サーヴァントのクラスは7つだけだ。それぞれ――――」

<人リ゚‐゚リ セイバー


('A`) 「このクラスは剣を武器にするサーヴァントが該当し、
    ステータスが最も優れ、これまでの聖杯戦争を全て終盤まで戦い抜いた実績から、
    最優のサーヴァントと呼ばれている」


(<`十´> アーチャー


('A`) 「アーチャーは弓。遠距離武器を使用するサーヴァントがこれに該当する。
    弓、と言いきってもいいのだが、英霊によっては大量に所持する宝具を投げつけるような奴もいる。
    気をつけておけ。このクラスは単独行動スキルを持ち、魔力供給を行わずとも数日は現界していられるぞ」


138 : ◆IUSLNL8fGY:2012/05/05(土) 16:41:13 ID:Xm/VcOpw0
目,`゚Д゚目 ランサー


('A`) 「ランサー」

目,`゚Д゚目 「応!」

('A`) 「……は、見ての通りだ。ジョルジュ、わかるか?」
  _
( ゚∀゚) 「あぁ、ステータスが見えるぜ。変な感覚だ」


【ランサー】 目,`゚Д゚目
【マスター】穏田ドクオ
【真名】???
【性別】男性
【属性】中立・善
【ステータス】筋力B  耐久C 敏捷A++ 魔力D 幸運D 宝具A++
【クラス別スキル】耐魔力A
            Aランク以下の魔術をキャンセル。

【保有スキル】  直感B
           戦闘の"流れ"を読むことの出来る能力。
           敵の攻撃をある程度予測することも出来る。
    
           騎乗D
           騎乗の才能。馬であるならば人並み以上に乗りこなすことが出来る。
           知識を与えられれば現代の乗り物を扱う事も可能。

【宝具】    ???


139 : ◆IUSLNL8fGY:2012/05/05(土) 16:42:23 ID:Xm/VcOpw0
  _
( ゚∀゚) 「敏捷に一際優れ、高い白兵戦能力を持つ槍使いってのが、このクラスの特徴か?」

('A`) 「その通りだ。全クラス中ランサーは最高の敏捷を持つ」

目,`゚Д゚目 「恐らくは、拙者の逸話によるものでござろう。
       拙者は身のこなしで事なきを得てきたからのう。それ故の当世具足で御座る」

('A`) 「なるほどな、重装備では取り回しづらく、逆に負傷してしまうわけか」

目,`゚Д゚目 「然り!」

('A`) 「このランサーのように、敏捷が特に高い者でなければこのクラスには該当しない。
    少々、ステータスが高すぎる気もするが……」

目,`゚Д゚目 「主の補正と日の本における拙者の知名度の恩恵であろう。
       本来ならば、A++のような評価を受けることは無いで御座る」

('A`) 「俺もそれほど落ちぶれてはいないということか……。
    次のクラスについて説明しよう」


140 : ◆IUSLNL8fGY:2012/05/05(土) 16:44:31 ID:Xm/VcOpw0

(???)ライダー


('A`) 「このクラスは敏捷くらいしか目を見張る物はないものの、、
    固有スキルに騎乗A+以上を持ち、強力な宝具を数多く所有する。
    何らかの乗り物に乗って戦闘するのが特徴だな。耐魔力スキルも持っているぞ」

(???)キャスター


('A`) 「キャスターは魔術に特化したクラスで、魔術A以上がキャスターの条件だ。
    しかし、魔術に攻撃を頼り切るキャスターは耐魔力を持つサーヴァントには滅法弱く、最弱と呼ばれる。
    一見脅威には思えんが、道具作成と陣地作成のスキルを活かして戦術を組んでくることだろう」

('A`) 「相手は常に自分に有利な状況に持ちこんで戦闘をしかけてくるはずだ。
    結界を用い籠城する戦術も非常に有効で、手ごわい相手に違いない。攻城戦も想定しておけ」


|/▼) アサシン


('A`) 「アサシンのサーヴァントはステータスは貧弱もいいところだ。
    白兵戦においては勝ち目は無いと言っていい」

|/▼) 「随分な言われようだな」

('A`) 「だが、事実だ。お前もわかっているはずだが?」

|/▼) 「あぁ、マスターが変わりステータスが降下してしまったのでな」


141 : ◆IUSLNL8fGY:2012/05/05(土) 16:45:29 ID:Xm/VcOpw0

【クラス】|/▼)
【マスター】長岡ジョルジュ
【真名】ハサン・サッバーハ 
【性別】男性
【属性】混沌・善
【ステータス】筋力C 耐久C 魔力E 敏捷B 幸運E 宝具B
【クラス別スキル】気配遮断A+
           サーヴァントとしての気配を遮断する。完全に気配を絶てば発見することは不可能になる。
           ただし、自ら攻撃を仕掛けると気配遮断のランクが低下する。
         
【保有スキル】投擲(短刀):B
         短刀を弾丸として放つ能力。アサシンが保有する短剣は40余り。

         風除けの加護:A
         中東に伝わる台風避けの呪い。


142 : ◆IUSLNL8fGY:2012/05/05(土) 16:46:32 ID:Xm/VcOpw0

('A`) 「確かに、低下しているが、お前には虎の子の気配遮断スキルがあるだろ。
    マスターを暗殺出来ればサーヴァントもいずれ消える、まだ活躍してもらうぞ」

|/▼) 「まずは、お前を殺してみせようか?」

アサシンは冗談めかした口調で言ったのだが、
        
 ( ^Д^) ( ><)
 _、_   
( ,_ノ` ) 「……!」(゚、゚トソン

 ('、`*川  ( ^Д^)

言葉を聞いた途端、皆が一斉に懐に忍ばせていたハンドガンに手を伸ばし、
魔術を使える者は詠唱の準備を、ジョルジュは令呪を使用する構えをとった。

|/▼) 「冗談だ、貴重な令呪、無駄にはするなよマスター。
    不本意な契約だが、聖杯を取れるのならば構いはしない。
    俺を存分に使うが良いマスター、ドクオ」

('A`) 「そうさせて貰おう。ジョルジュ、よろしく頼むぞ」
  _
(;゚∀゚) 「任せとけよ。お前とは長い、魔術も他の奴より使えるつもりだ」

さて、と仕切り直し、ドクオは最後のクラスについて解説していく。


143 : ◆IUSLNL8fGY:2012/05/05(土) 16:47:32 ID:Xm/VcOpw0

以#。益゚以 バーサーカー

('A`) 「次はバーサーカーだ。こいつには制約が無い。
    どんな英霊でも狂化を許諾すればバーサーカーになれる。
    呪文に一節加えるだけでクラスを指定することも可能だ」

('A`) 「狂化は理性を失う代わりにステータスを強化することが出来る。
    ただし、一部の宝具が使えなくなったり、理性を失って戦闘の技術に支障をきたす、
    消費魔力量が膨大になるなど、デメリットも多く抱えている」

('A`) 「宝具と真名さえ割れれば、このクラスは大して恐ろしくもないんだが……。
    アサシン、お前は実際に交戦したんだよな?」

|/▼) 「いかにも。だが、真名は判明せず、宝具を使う事も無かった。
    常時開放型なのか、使えなくなってるのかもわからん」

('A`) 「そうか……マスターは見かけたか?」

|/▼) 「いや、残念ながら。マスターらしき人物は現われなかった」

('A`) 「もう一度、探る必要があるな……」

|/▼) 「分からないことばかりだが、奴は強い。
    これだけはたしかだ。狂化などされなくても、
    奴は充分に聖杯を狙える器であったのだろう」

('A`) 「強力な英霊を更に強化したか。
    魔力消費が莫大な物になるはずなんだが……。
    マスターは一体どんな化物なのやら」


144 : ◆IUSLNL8fGY:2012/05/05(土) 16:48:55 ID:Xm/VcOpw0

(-A-) 「もう一度整理しよう。サーヴァントのクラスは7つ。
    セイバー、ランサー、アーチャー、アサシン、キャスター、バーサーカー、ライダーだ」

('A`) 「サーヴァントは聖杯より魔力を得て現世に現われる。これが現界だ。
    現界したサーヴァントは実体と霊体を使い分ける事が出来る。
    実体化と霊体化だ。霊体は目視は不可能で、普段はこの形態をとることになるな」

('A`) 「実体化したサーヴァントには魔力の核となる器官があり、そこを潰せば魔力を保てなくなり死ぬ。
    人間と同じく、心臓や脳を潰してやればいい……が、神秘を伴った武器でなければ、
    奴らにダメージを与えることは出来ない。魔術による攻撃ならば通用するが……」

(-A-) 「耐魔力スキルがあるサーヴァントには通用しないと思ったほうがいい。
    スキルのランクにもよるがな。正直、俺の魔術ではサーヴァントには敵わないだろう。
    だが、前にも言ったようにマスターの魔力供給が無ければサーヴァントは姿を保てない」

('A`) 「よって、俺達はマスターさえ倒せばいい。マスターを失ったはぐれたサーヴァントは、
    サーヴァントを失ったマスターと再契約するケースもある。その場合は少々厄介だ。
    だからアサシン、ランサー。討ち漏らしはなしにしてくれよ」

目,`゚Д゚目 「御意」

|/▼) 「了解だ」

(-A-) 「さて、次は具体的な話しに移っていこう」

('A`) 「聖杯は召喚した英霊の魂を取りこみ、万能の願望機となる。
    つまり他の6騎を倒す必要があるのだが、5騎のみを倒しその力を分ける事も出来る。
    どの程度の願いを叶える事が出来るのかはわからんがな」


145 : ◆IUSLNL8fGY:2012/05/05(土) 16:50:09 ID:Xm/VcOpw0

('A`) 「ランサーとアサシンを擁する俺達は、他のサーヴァント達を倒し聖杯を狙う。
    血の気の余った奴や情報を欲した奴らが、今日から動き出すことだろう。
    基本的に戦闘行為や魔術の行使を一般人に見られてはならない」

('A`) 「発見された場合は目撃者を即時に抹殺し口封じするのがルールだ。
    だから真夜中に行動を開始するのがセオリーだ。
    俺達がどのマスターがどのクラスを従えているか知るチャンスでもある」

('A`) 「昨夜の帰還後、使い魔を放ってもバーサーカーはもう見えなくなっていた。
    しかし、奴とそのマスターが円山にまだ残っているのは確実のはずだ。
    ……トソン、内藤と津出の情報を教えてくれ」

(゚、゚トソン 「了解です」

トソンはテーブルの端に置いていた地図を取り出し、
拡大図を広げていくと赤枠で囲んだ場所を指で示していく。
慎み深い紅色の唇を動かした彼女は、

(゚、゚トソン 「札幌の東区に区分され、北24条方面にある……この敷地の広い家が津出の所在地です。
      内藤の家はここから2丁離れて、西の方にある一軒家です。
      両者とも東区役所方面のVIP高に通い、幼い頃から面識がある模様」

(゚、゚トソン 「なお、昨日。内藤はどうやら聖杯戦争に迷いを持っているような会話を津出としていました。
      それを津出はなじっており、決別したかのように思われます」

('A`) 「盗聴器でも仕掛けたのか?」


146 : ◆IUSLNL8fGY:2012/05/05(土) 16:51:49 ID:Xm/VcOpw0

(゚、゚トソン 「いえ、この子がやってくれたのですよ」

∧ ∧
(=^o^=) にゃあ~

トソンが呼んだのか、窓際に立っていた猫が駆け寄ってきて、
そっと灰色の毛で覆われた身体を両手で抱いたその姿は、
ペットを抱く可憐な少女のように見えた。

('A`) 「使い魔か。お前は、この中で一番使い魔の扱いに長けていたよな」

(^ー^トソン 「ふふ、ありがとうございます」

にっこりとほほ笑むその姿は少女っぽさに拍車を掛ける。
その様に、彼女の恋人であるジョルジュは見惚れていた。

('、`*川 「アンタより先にこっちに着いてから、ちゃんと仕事してたのよ?
      でも、内藤と津出の情報はあっさり掴めたものの、他のマスターについてはまだなの。
      ごめんなさい。どうやら、外部の連中が今回は多いみたいね」

('、`*川 「……一応、魔術的な仕掛けが施していそうな所は見かけたんだけども」

('A`) 「どこだ?」

ペニサスは拡大図の別のページを開き、印を付けた場所を指差す。

('、`*川 「伏古の7条にある、公園のお隣のこのお屋敷。
      結界が張られてる感じはするんだけど、
      偽装されてるからか詳しいことわからないのよ」


147 : ◆IUSLNL8fGY:2012/05/05(土) 16:52:46 ID:Xm/VcOpw0

('、`*川 「危険だと判断して、それ以上の調査は打ち切ったわ」

('A`) 「ただの進入を阻む魔術結界ではなく、トラップの類か。
    それだけ分析出来れば十分だ、賢明な判断だった」

('A`) 「後は、俺が直接調べに行こう。帰還次第、作戦を改めて立案する」

目,`゚Д゚目 「応! では拙者が供を」

('A`) 「いや、ランサーはここに残ってこいつらを守ってくれ」

目;`゚Д゚目 「主っ! 何故で御座るか!? それでは主の身が危険に晒されよう」

('A`) 「俺は問題ない。俺の魔術は隠密行動に特化している。
    サーヴァントに通常兵器は通用しない、いくら武装していても敵に襲われればこいつらでも一溜まりもないんだ。
    だからランサー、こいつらを守ってくれ。サーヴァントに対抗できるのはサーヴァントだけだ」

目;`゚Д゚目 「しかし……」

目,`-Д-目 「否、主の命に従おう」

('A`) 「悪いな、ランサー。槍を振るう機会は今夜にでもやってくるはずだ。
    それまで我慢してくれ。じゃあ――――」

('A`) 「最後に確認しておきたいんだが、監督役はどうなっている?」

( ´∀`) 「それは僕から」


148 : ◆IUSLNL8fGY:2012/05/05(土) 16:53:57 ID:Xm/VcOpw0

( ´∀`) 「今回の聖杯戦争の監督役は、杉浦ロマネスク。
       杉浦はここのロマネ札幌教会の神父モナ。
       10年前に父親が死去して引き継いで以来、一人で切り盛りしてるモナ」

( ´∀`) 「それで聖杯戦争が札幌で行われるにあたって、聖堂協会に所属している彼は、
       能力を買われてる事もあって今回の監督役に任命された」

('A`) 「あぁ、よく知ってる。神父の動向は?」

( ´∀`) 「聖杯戦争が始まる前となんら変わりないモナ。
       内藤が昨日、教会に訪れていた。教会内にしかけた盗聴器から会話を聞いた限り、
       どうやら参戦するのを渋っていたらしい。それよりも耳寄りな情報があるモナ」

('A`) 「なんだ?」

( ´∀`) 「ドクオが入手した情報通り、刃児耶ギコが参戦していたことが判明したモナ。
       奴は神父と会話した後、消えたモナ。追跡は不可能だった。
       それよりも会話の中でギコは自分のサーヴァントが"セイバー"であることを明かしたモナ」

('∀`) 「そうか……来たか、"便利屋"」

モナーの報せを聞いたドクオの頬は自然と綻び、声からは薄っすらと喜びが感じられる。
部下達は敵の名を聞き微笑むボスに、言い知れぬ恐怖を覚えた。

('A`) 「それは良いことを聞いた。セイバーのマスターがもう判明するなんて。
    運の良いことにこちらにはアサシンが居る。暗殺の脅威はもう無い。
    じゃあ、更なる情報を集めに伏古にある屋敷へ行ってくる」


149 : ◆IUSLNL8fGY:2012/05/05(土) 16:54:59 ID:Xm/VcOpw0

ソファから腰を上げて玄関へ向かうドクオは、

('A`) 「引き続き、監視を怠るな。特に監督役の教会をな。
    聖杯戦争中は教会一帯に使い魔を放つことを禁止されている。中立地帯だからな。
    渋澤、プギャー。二人一組で監視に当たれ。不審な動きが見えたら俺に連絡しろ」

ポケットからケータイ電話を取り出して見せ、そう付け加えた。
人員を二名割いてまで監督役に監視をつける理由とは。

 ( ^Д^) 「ボス、どうして監督役なんぞをそんなに警戒するんだ?」

何故そこまで執着するのか、プギャーは説明を求める。


('A`) 「奴は―――前回の聖杯戦争の勝者だ」


短く、それだけを告げてドクオは部屋から出ていった。


150 : ◆IUSLNL8fGY:2012/05/05(土) 16:55:59 ID:Xm/VcOpw0

******

部屋を出たドクオはトレードマークとなりつつある、
濃緑色のモッズコートを右手で翻すと袖を通していった。

真っ白なロングスリーブTシャツをコートで覆っていき、
両脇のガンホルスターをファスナーを閉じて隠すと、
ダメージを受けた青いジーンズを履く彼はもはや一般市民にしか見えない。

階段を下りて地下にあるガレージへと向かう。

そこにはドクオ達インビジブルワンの所有する車両が二台あり、
その内の黒いパジェロVR-Ⅰへドクオは乗り込み、キーを差し込む。
重厚ながらも滑らかな車体がエンジンの稼働に震えていく。

ギアをニュートラルから1stへ。

('A`) 「さて、伏古とやらにいってくるか」

呟き、アクセルを踏み込もうとしたその時、

('、`*川 「ボスー!」

エンジンの呻りにペニサスが足音を加える。
彼女は黒い長髪を振りみだしてパジェロへ駆けより、

('A`) 「どうした?」

ミラーを開けてドクオはペニサスのほうを覗きこむ。


151 : ◆IUSLNL8fGY:2012/05/05(土) 16:56:59 ID:Xm/VcOpw0

('、`*川 「アンタにちょっとプレゼントしたいものがあってね」

(;'A`) 「プレゼント?」

⊂('ー`*川 「そっ、これこれ」

右手に掴んでいた物を窓越しドクオの首へ巻きつけ、
彼はそちらへ視線を落としていった。

(;'A`) 「お前、これ目立つだろ……」

彼の首には赤いマフラーが巻かれ、言葉の通り、
濃緑色のコートにこれでは目立ってしまうに違いない。

('、`*川 「良いの良いの。この方が冬にあってるし、パンピーに見えるでしょ?」

(;'A`) 「あぁ……あぁ……その通りだけど……まぁいいか」

暖かいしな、そう付け加えたドクオはミラーを締めていく。

('A`) 「サンキューな」

('ー`*川 「似合ってるわよ。少しは陰気な顔が紛れそう」

(;'A`) 「うるせー……」

('、`*川 「それ、こっちに来てからジャパネットってとこで買ったの。
      おまけでもう一個ついてきたんだけど、アンタに似合ってよかったわ」


152 : ◆IUSLNL8fGY:2012/05/05(土) 17:00:13 ID:Xm/VcOpw0

('A`) 「……?」

ペニサスの言葉は閉まり切ったミラーに遮られ、彼には届かなかった。

手で離れろと告げられ、ペニサスが数歩後ろへ下がるが遅いか、
黒のパジェロが発車していった。

幸いなことに空は快晴で、太陽が札幌の市街を照らしていた。
予報ではここ一週間の天気は安定する模様。

円山を降り、新聞社を抜けて北一条の通りへ入ると赤い塔が目に入る。
147mにもなり天を貫かんとするこの電波塔はテレビ塔と呼ばれ、
夜にはイルミネーションで飾られて観光名所の一つとなっている。

北海道にとって、東京の東京タワーのような存在だ。
近年改修され、より鮮やかな表示となった時計の表示枠は11時36分を告げる。

('A`) (内藤と津出は学生だったな。通学していないとしたら、
    遭遇戦になることもあるだろうな)

ハンドルを握る右手の令呪を見やり、最悪の場合これを使ってランサーを呼ばねば、
ドクオは敵サーヴァントに対抗できずに命を奪われることになるだろう。

もっとも、ドクオの魔術は隠密行動に優れた物なのだが、
アクシデントというものはどうしてもついて回ってしまうものだ。

雪の残る道ではあるが、ここは交通量などが多い為かアイスバーンではない。
軽自動車ではまだハンドルを雪に取られることもあるだろうが、
スーパーセレクト4WDⅡという駆動システムは苦も無くパジェロを走らせる。


153 : ◆IUSLNL8fGY:2012/05/05(土) 17:02:15 ID:Xm/VcOpw0

隠田ドクオは魔術師である以前に、傭兵でもある。
渡り歩いてきた紛争地帯の中には雪国もあり、雪道での運転経験も豊富だ。

そんな彼とパジェロは日本の交通法に従い、安全運転で走り続け、東区へとさしかかる。
ここまで来るとアイスバーンが増え、環状通りへ入ると路面には氷が張って輝いていた。
氷の道を走行する自動車の中には時折スリップする物もあった。

(;'A`) 「うおっ、危ねぇな……」

目前の車両がスリップした時にはドクオも流石に肝を冷やす。

車間距離を適切に保っていたことが幸いだった。
そのまま環状通東駅を右折し、伏古通りに向かっていく。

すると、サイクリングロードを発見した。
木々が生え揃えられ、舗装されたスペースを持っていたのだが、
雪が大量に積っている為それらは覆い隠され、ドクオには細長い雪原にしか見えなかった。

('A`) (反対車線に見える公園が伏古公園か?)

中央分離帯のように設置されたサイクリングロード。
そこを左折して、サイクリングロード越しに見える公園を覗くと、
これもまた雪原じみた公園を見かける。

('A`) (広い敷地だ。中央には噴水、球状のスペース。右には木々に覆われたジョギングコースと、
    左にはフェンスと野球場と小山。奥には遊具コーナーか……ここで待ち構えれば、
    スナイパーも設置でき、ランサーの得物を充分に活かしてやれるだろう)


154 : ◆IUSLNL8fGY:2012/05/05(土) 17:03:29 ID:Xm/VcOpw0

伏古公園を見たドクオの頭は、自然と戦略を組み立てていた。

もしこの目的地の屋敷にいる者が魔術師で、マスターであるのならば、
ここが戦場になる可能性は十分にあるだろう。

他に、スナイプポイントになりえる場所はないか探しながら、
パジェロを走らせているとペニサスが目を付けていた屋敷らしい物を見かけた。
標識を見やると、伏古7条と記されており、ここで間違いないと確信した。

北24条通りへ向かう道路と分かたれる、交差点が前方に映り、
ドクオはパジェロを転回させて反対車線に入り込んだ。

屋敷の傍には公園があり左折して路肩に停車させる。

公園にはまたしても小山があり、今は雪に埋もれているが砂山やベンチなど、
ささやかな遊具が設置されているのが雪原の凹凸から察せられた。

('A`) 「へぇ、こんな田舎にも立派な屋敷はあるもんだな」

ベンチに腰かけたドクオは不審さを感じさせぬよう、
さもドライヴの休憩に立ち寄った者のように自然と振舞いながらも、屋敷を盗み見ていく。

赤レンガで作られた、一見古風な屋敷だが、
覗ける内装から近代化されていることは明らかだ。
門も構えられており、玄関まで石畳で覆われ、ロードヒーティングが成されているのか雪は無い。


155 : ◆IUSLNL8fGY:2012/05/05(土) 17:06:48 ID:Xm/VcOpw0

歴史と科学が融合し、様式美と性能美を併せ持つ無駄の無い屋敷だった。

また、別館と一体化しており、別館にはガレージが備えられている。
ここ一帯の住居としては破格の広さで、一区画を丸ごと屋敷にしていた。
赤レンガ庁舎を彷彿とさせるレンガ屋敷だ。

ドクオはその端から端へと視線を走らせていき、ポケットからタバコを取り出す。
黄色のソフトパッケージにはハトが描かれ、バニラの甘い香りが鼻腔を撫ぜる。

白いフィルターを口に加え、ジッポーで火を付けると濃厚な甘みとは裏腹に、
どっしりとした重みが肺にパンチを効かせていった。

(-A-)y━~~ (正解だよ、ペニサス。もし使い魔を入り込ませていたら、
         お前の魔術回路は焼かれていたことだろう。こいつは単純な術式じゃあない)

煙を吐き出し、ドクオは屋敷全域に掛けられた結界を分析していく。

有効範囲は大したものではなく、索敵に向く結界ではない。
しかし、侵入者を呪う術式が組まれ、更には交霊を司る術も合わせられている。

おまけに術式それぞれに念入りに偽装の術式が組まれており、
そうとも知らずに使い魔が入りこんだ途端、魔術を供給する術者へ膨大な魔力を送り込む仕掛けだ。
                         マナ            オド
魔力には二種類あり、自然の生み出す"大源"と、生物に宿る"小源"に分かれる。
生物が自ら生成するオドと自然が生成するマナでは、絶対量こそ変わるが性質は同じ魔力である。

大まかに言えば魔力とは出力機であり、魔術師は入力機だ。
一度に大量の魔力を送りこまれると魔術回路は処理しきれずに暴走し、
魔術師の神経やら内蔵をズタズタに引き裂いてしまうのだ。


156 : ◆IUSLNL8fGY:2012/05/05(土) 17:07:43 ID:Xm/VcOpw0

本来、人間には魔術を操る器官など存在しない。魔力とは身体にとって異物にしかすぎない。

それだけならば魔術師の力量如何によっては制御してみせることだろう。
だが、呪いによって送り込まれる魔力は指向性を持ち、魔術回路をかき乱す。

(;'A`)y━~~「相当な魔術師が住んでいるに違いあるまい……」

ドクオですら、このまま足を敷地内に踏み入れれば一瞬で魔術回路を焼かれることだろう。

('A`)y━~~ (これほどの術式、一体誰が……無名の魔術師の筈がない。
        しかし、高名な魔術師がやってくるのなら容易に情報が手に入るはずだが……)

脳内に記録された魔術師のリストを読みあげるも、
その誰もが今回の聖杯戦争に参戦するとの情報は得ていない。

いや、目ぼしい魔術師は皆この地にやってくる前に全て消した。

('A`)y━~~ (そのはずだ……)

まさか、とドクオはある考えに至るが、

('A`) 「ッ!」

側頭部を貫くような鋭利な殺気を感じて飛び退る。
タバコを吐き捨て、雪の上に膝を突いて着地するとベンチが爆ぜた。
同時、甲高い銃声が空を走っていく。


157 : ◆IUSLNL8fGY:2012/05/05(土) 17:09:58 ID:Xm/VcOpw0

('A`) (着弾と銃声がほぼ同時か、近いな)

聞き覚えのある音だ、とドクオは感じた。
未だにスナイパー達に根強く支持される木製ライフルから立つやけに甲高い音。

(;'A`) (モシンナガンか)

ベンチは粉々に砕け、今や雪の上に木片と金属片を晒している為、狙撃位置は割り出せない。
モシンナガンに使用される7.62mm×53R弾は貫通力には優れるが、これほどの衝撃を与えるはずがなく、
即座にこれはサーヴァントによる攻撃だとドクオは判断した。

ここまで至るのに要した時間は一秒にも満たず、彼は既に次の行動に移っている。

戦場を越えてきた数だけドクオは戦士として鍛え上げられ、
磨きぬかれた状況判断能力と行動力がそうさせたのだ。

    インビシブル    ウロボロス
('A`) 「invisible―――uroboros」


呪文の高速詠唱。


――――隠匿の魔術。


背に掘られた穏田家の魔術刻印が輝き、全身に魔力を覆わせたドクオは飛び出していく。
先程まで彼がいた位置に弾丸が飛び込み、雪煙を上げた。
姿勢を低く、そして全力で足を振りあげて駆け抜ける。


158 : ◆IUSLNL8fGY:2012/05/05(土) 17:11:24 ID:Xm/VcOpw0

先程の狙撃でドクオはスナイパーの居場所を特定していた。

小山にいるはずだが……そこには人の姿など見当たらず、

('A`) (気配遮断のようなスキルか。見えんが、いるのは確実だ)

ドクオはパジェロのほうへと駆けこんだ。
途端に銃声は止んだが、これはひとえに彼が行使した魔術のおかげだ。
隠田家が秘術であるそれは気配を隠匿するというもの。

今の彼の姿は外界から隠匿されており、何人たりとも視界に納めることは敵わない。
これが、この魔術こそがランサーを伴わずに出てきたドクオの自信の源である。

隠密行動に特化した魔術。
隠田家に授けられる隠者の属性がそれを実現させたのだ。

この隠匿の魔術を使われては、サーヴァントと言えども彼を捉えることは不可能だ。
しかし、サーヴァントとはかつての英雄である。
戦いのセオリーというものを、彼らが理解していないはずがない。

ドクオがパジェロのドアを開けた、その途端。
ガラス片が雨霰となって散っていった。

気配遮断スキルにも匹敵するほどの魔術ならば、長時間行使出来るはずもない。
そう踏んだ敵サーヴァントは自動車を逃走に使うと踏み、
見えないながらもドアが開く瞬間を狙って、頭部があるはずの部位へ弾丸を放ったのだ。


159 : ◆IUSLNL8fGY:2012/05/05(土) 17:13:22 ID:Xm/VcOpw0

が、

(;'A`) 「危なかった……」

ドクオのほうが一枚上手であった。

その一瞬を狙われることを予期して、わざわざ反対側へと回りこみ、
地面に伏せた状態で手を伸ばしてドアを開けたのだ。

背の上に粉々になったガラスが降り注ぐが、
シャツの下にきていた防弾ベストが身体を守り、幸いなことに無傷で済んだ。
ドクオは座席に伏せたままキーを挿しこみ、片手でギアをチェンジして蹴りを放つが如くアクセルを踏み込む。

それよりも早く、蜘蛛の巣状になっていた反対の窓ガラスが完全に消し飛び、
背のほんの数センチ上をサーヴァントの放った弾丸が通過していった。

背筋に冷たいものが走ったが、パジェロは獰猛な呻りをエンジンから上げて急発進する。
他人から彼の姿が見えていれば間抜けな格好に見えただろうが、
九死に一生を得たドクオは速やかに姿勢を正して運転していく。

まだ、安心は出来ない。

追跡を避けるべく、ドクオは全速力でその場を抜けた後、
遠回りをしてから帰路へと就くことにした。


160 : ◆IUSLNL8fGY:2012/05/05(土) 17:14:05 ID:Xm/VcOpw0

―――彼が睨んでいた公園の小山の上。


(<`十´> 「……逃したか。魔術師の分際で、中々やる」

雪に埋もれたサーヴァント……アーチャーは呟く。

その姿は、彼の宝具の一つによって雪と同化していた。
限定的な能力ではあるが、アサシンの気配遮断スキルと同等の効果を発揮する宝具。
ドクオには見えなかったが、しかしその正体を見破られる日は遠くは無いだろう。

確実に仕留められるとアーチャーは踏んでいたのだが、
今回行われた戦闘は吉と出るか、凶と出るか。

彼のマスターである内藤ホライゾンは、その事を知る由も無かった。

小山の上でライフルを構えていたアーチャーはそのまま霊体化していき、
次なる標的を求めて歩き出していく。


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( ^ω^)は巨大ロボットを操縦するようです 第4話 

108 :名も無きAAのようです:2012/05/06(日) 02:20:23 ID:oX5J0Gfo0



       ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓

         ( ^ω^)は巨大ロボットを操縦するようです

       ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛


       ┏        ┏
         第肆話      ロボットのない生活
              ┛                 ┛


.


109 :名も無きAAのようです:2012/05/06(日) 02:22:54 ID:oX5J0Gfo0
( ^ω^)「…やったお。ついに…ついにこの時が来たんだお」

('A`)「ああ。頑張ったな、ブーン」

( ^ω^)「何言ってるんだお。これはドクオのおかげでもあるんだお?」

('A`)「俺は大したことしてねぇよ。ほとんどお前の手柄さ」

( ^ω^)「相変わらず無駄に謙虚だおね…」

( ^ω^)「まぁともかく。これでやっと反撃ができるお」

('A`)「だな…」

( ^ω^)「さぁ、さっそく作るとするお…」


110 :名も無きAAのようです:2012/05/06(日) 02:24:46 ID:oX5J0Gfo0



('A`)「この天鱗で!!!」



( ^ω^)「対グラビ装備が完成だお!!!」



(メA#)

(;;;;#ω^メ)

川 ゚ -゚)「どうした」

ξ゚⊿゚)ξ「うん、おふざけが過ぎたんでシメといた」

川 ゚ -゚)「ふーん」


111 :名も無きAAのようです:2012/05/06(日) 02:29:00 ID:oX5J0Gfo0
('A`)「いや聞いてくれよクー。クエストクリア273回目にしてついに」

ξ゚⊿゚)ξ「次はPSPがターゲットだぞ?ん?」

('A`)「マジなんでもないっす」

ξ゚⊿゚)ξ「…はぁ。おもっきし勤務時間だっつーのに、堂々とゲームするの止めてよね。暇なのはわかるけど」

( ^ω^)「だお…歯車王がなくなるだけでこんなに暇になるとは…」

川 ゚ -゚)「まぁ私たちの生活は常にあれが中心だったからな」

('A`)「張り合いがないよなぁ…で、クーは何してんだ?」

川 ゚ -゚)「うむ。内藤重工再起のための準備を色々としていた」

ξ゚⊿゚)ξ「言っとくけど、あたしも準備手伝ってたからね。手伝いだけど」

( ^ω^)「別に手伝いを強調しなくてもいいお」

ξ゚⊿゚)ξ「お前は不器用だからあっち行ってろなんて言われてないからね」

('A`)「誰も聞いてません」


112 :名も無きAAのようです:2012/05/06(日) 02:32:42 ID:oX5J0Gfo0
川 ゚ -゚)「で、準備が今しがた終わったところなんだが」

( ^ω^)「おー、さすがクーだお」

川 ゚ -゚)「まず、我々の置かれた状況を皆に再確認してもらいたい」

('A`)「歯車王を売ってうはうは」

川 ゚ -゚)「どこをどう見たらうはうはだ。やっと右肩上がる準備が出来た段階だ」

川 ゚ -゚)「とはいえまぁ、ここから先は順調に利益を出していくだけでいい」

川 ゚ -゚)「今までは出した利益を食いつぶされていたが、その心配がないからな」

ξ;゚⊿゚)ξ「歯車王結構ボロクソ言われてるけど…」

( ^ω^)「事実だからしょうがないお…」

川 ゚ -゚)「というわけで、ビジネスプランをいくつか考えた」


113 :名も無きAAのようです:2012/05/06(日) 02:38:39 ID:oX5J0Gfo0
川 ゚ -゚)「まずドクオ」

('A`)「俺?」

川 ゚ -゚)「お前には、ロボット関連の修理作業で稼いでもらう」

('A`)「そりゃ構わねーけど…大手がいる分野だろ。客、いるのか?」

川 ゚ -゚)「ターゲットは個人だ。今のご時世、個人で小型・中型ロボットを持ってる人間はごまんといるからな」

川 ゚ -゚)「幸い、内藤重工は近所に名が知れている。地域密着型の営業形態でいけば問題ない」

川 ゚ -゚)「―というか既に、何件か依頼を取ってきた」

('A`)「仕事のお早いことで…」

川 ゚ -゚)「地域密着である以上、口コミで情報が流れるのも早い。特に悪い噂はな」

川 ゚ -゚)「抜かりなく作業を行うこと。わかったな?」

('A`)「アイアイサー」

川 ゚ -゚)「いや、私はサーではないんだが…まぁいい」


114 :名も無きAAのようです:2012/05/06(日) 02:45:27 ID:oX5J0Gfo0
川 ゚ -゚)「次、ツン」

ξ゚⊿゚)ξ「はーい」

川 ゚ -゚)「こないだ調達してきた部品、余ってるだろう?」

ξ゚⊿゚)ξ「余りまくりです。というかこないだより前に調達してきた部品も余ってます」

川 ゚ -゚)「会社の前に簡易店舗を作る。個人向けに販売してくれ」

ξ;゚⊿゚)ξ「え、マジ?うちにあるのって巨大ロボット用の部品ばっかりで、個人じゃなかなか…」

川 ゚ -゚)「ところがどっこい、世の中には部品マニアという人種が意外に多く存在するのさ」

('A`)「ふつーに家庭用で使える部品もあるし」

ξ゚⊿゚)ξ「へー。知らなかった…」

('A`)「お前本当に営業としてその知識の無さはどうなの?」

ξ゚⊿゚)ξ「だって頼まれた部品を持ってきてるだけだもん」

('A`)「だからそれが問題なんじゃねーのって言ってるんですけども」

( ^ω^)「まぁまぁ…この手の話はツンにはいくら言っても無駄だお」

ξ゚⊿゚)ξ「そうよ無駄よ!さすがブーンは私のことをよくわかってるわね!」

川 ゚ -゚)「よく居直れるなお前」

116 :名も無きAAのようです:2012/05/06(日) 02:53:31 ID:oX5J0Gfo0
川 ゚ -゚)「さて、最後にブーン」

( ^ω^)「お!」

川 ゚ -゚)「ブーンの才能といえば、やはりパイロットだろう」

ξ゚⊿゚)ξ「そうね。よくわかんないけど、ブーンが持ってる免許ってすごいんでしょ?」

('A`)「就職口を見つけるのには困らないレベルです」

( ^ω^)「こういう立場のおかげで権利を行使できないんだお…」

川 ゚ -゚)「ああ、わかっている。というわけで、緊急役員会議を開こうと思う」

ちなみに、役員とはこの場にいる四人のことである。

川 ゚ -゚)「ブーン…いや、内藤ホライゾン」

川 ゚ -゚)「私は彼を『秘密株式会社内藤重工代表取締役』から、解任することを提案する」

( ^ω^)

( ^ω^)

( ^ω^)「えっ」


117 :名も無きAAのようです:2012/05/06(日) 02:59:05 ID:oX5J0Gfo0
(;'A`)「ちょ、おい!クー、お前どういうつもりだよ!」

ξ;゚⊿゚)ξ「まさかこの機に会社を乗っ取るつもり!?自分の方がブーンより遥かに有能だからって!」

(;'A`)「そうだそうだ!確かにお前の方がブーンより圧倒的に有能だが、いくらなんでも横暴だぞ!」

( ^ω^)「うん、ちょっと待てお前ら」

川 ゚ -゚)「ブーンの言うとおり。耳を貸せ、二人とも」

ξ゚⊿゚)ξ川 ゚ -゚)('A`) ヒソヒソヒソ…

川 ゚ -゚)「…というわけだ。では多数決を取る。内藤ホライゾンの解任に賛成の方は挙手を」


( ^ω^) ( 'A`)ノ ξ ゚⊿゚)ξノ 川 ゚ -゚)ノ


( ^ω^)

( ^ω^)

( ^ω^)

( ^ω^ )


118 :名も無きAAのようです:2012/05/06(日) 03:05:59 ID:oX5J0Gfo0
こうして代表取締役を解任されたブーンは、ある会社の前に来ていた。


【スギウラロボティクス ニューソク支社】


(; ´ω`)「おー…まさかここに『働きに』来ることになるとは思わなかったおー…」

( ^ω^)「…にしても、でかいビルだおねー…一体何階建てなんだお?」

ウィーン…

ミセ*゚ー゚)リ「ようこそ、スギウラロボティクスへ。パイロット面接にお越しの内藤ホライゾンさんですね?」

( ^ω^)「その通りですお。よくわかりましたおね」

ミセ*゚ー゚)リ「受付嬢たる者、来訪予定のあるお方のお顔とお名前は暗記していて当然です」

(; ^ω^)「(どう考えても当然ではないお…)」

ミセ*゚ー゚)リ「こちらの通路を真っ直ぐ進んでください。そちらが面接会場になります」

( ^ω^)「ありがとうございますお」


119 :名も無きAAのようです:2012/05/06(日) 03:12:50 ID:oX5J0Gfo0
ウィーン…

( ^ω^)「…!」

(; ^ω^)「(すごい…この操縦訓練場とロボット、全部スギウラの物だっていうのかお…!?)」

(; ´ω`)「(何を取っても内藤重工とは雲泥の差だおー…勝負することが既に間違いだおー…)」

(゚、゚トソン「こちらの番号札を付けて指定の席にお着きください」

(; ^ω^)「わ、わかりましたお」

(゚、゚トソン「……」

( ^ω^)「…?何か顔についてますかお?」

(゚、゚トソン「いいえ。ただ、考えていただけです…スギウラで働かざるを得ない、貴方の気持ちを」

( ^ω^)「……」

(゚、゚トソン「内藤重工は潰れたのですか?」

( ^ω^)「今のところ、倒産の予定はありませんお」

(゚、゚トソン「そうですか。それは何よりです。では、席へどうぞ」

( ^ω^)「(まぁ、いい顔されなくて当然だおね)」


120 :名も無きAAのようです:2012/05/06(日) 03:15:34 ID:oX5J0Gfo0
( ^ω^)「136番、136番…ここだおね」

( ゚д゚)←135番

( ^ω^)「よ、よろしくお願いしますおー」

( ゚д゚)

( ゚д゚ )

( ゚д゚ )

( ゚д゚ )

( ゚д゚)

(; ^ω^)「(メッセージ性が何も感じられないお…何なのこの人…)」

ドカッ

( ´曲`)←137番

( ^ω^)「(もう帰りたい)」

122 :名も無きAAのようです:2012/05/06(日) 03:24:28 ID:oX5J0Gfo0
三十分ほど後。全ての参加者が集まったと思わしき頃、会場である操縦訓練場に、男の声が響き渡った。

( ФωФ)『本日はお日柄も良く…と、このような挨拶は無意味であるな』

スギウラロボティクス代表取締役、杉浦ロマネスクの声であった。

( ФωФ)『ここに集まったパイロット候補は598人。この内、正式採用される人数は―』

( ФωФ)『決まっていない』

ザワ…

( ФωФ)『というのも、貴殿らも存じている通り、我が社は実力主義である』

( ФωФ)『欲しいのは、実力の有る人間。要らぬのは、実力の無い人間』

( ФωФ)『ここに集まっている全ての人間に実力が有ると我輩が判断すれば、598人全員を採用するつもりである』

( ФωФ)『逆に言えば、全ての人間に実力が無いと判断すれば、598人全員が不採用となる』

( ФωФ)『それでは。正式採用を目指し、頑張って欲しいのである』

ブツッ…

( ^ω^)「(…あれが、杉浦ロマネスク…)」


123 :名も無きAAのようです:2012/05/06(日) 03:34:22 ID:oX5J0Gfo0
(゚、゚トソン「では、面接の方法について発表致します」

(゚、゚トソン「この操縦訓練場に案内された時点で気付いていらっしゃる方も多いと思いますが…」

(゚、゚トソン「…というより、気付いていらっしゃらないような鈍い方にはこの時点でご退場願いたいものですが」

(゚、゚トソン「当社の面接では、向かい合って仲良くお話をする、というような無駄な行為は一切行いません」

(゚、゚トソン「先程取締役が仰られた通り、我が社が重視するのは一にも二にも『実力』です」

(゚、゚トソン「そこで、この面接では皆さんの『実力』を見せて頂きます」

(゚、゚トソン「その方法は単純明快」


(゚、゚トソン「巨大ロボット同士による一騎打ちです」


( ^ω^)「……」

125 :名も無きAAのようです:2012/05/06(日) 03:48:22 ID:oX5J0Gfo0
(゚、゚トソン「こちらのモニターをご覧ください」

(゚、゚トソン「今からこちらに、ランダムに組み合わせられたトーナメント表が映されます」

(゚、゚トソン「皆さんには、胸に着けて頂いた番号に従い、実際の巨大ロボットに乗り込んでの対決を行っていただきます」

(゚、゚トソン「…念の為、申し上げておきますが。このある意味前時代的な面接方法は、私の発案ではなく、取締役の発案です」

(゚、゚トソン「トーナメントは勝ち抜き戦となりますが、優勝者ですとか、上位何名が採用される、ということではありません」

(゚、゚トソン「繰り返しになりますが、この面接による採用人数は『決まっていない』のです」

(゚、゚トソン「たとえ一回戦で敗北したとしても、その方の実力が取締役に見込まれれば採用となりますし」

(゚、゚トソン「逆に優勝したとしても、その方の実力が取締役に見込まれなければ不採用となります」

(゚、゚トソン「尚、対戦相手の操作などのくだらない小細工に関して、我々は一切関与しません」

(゚、゚トソン「何故ならこの面接は、巨大ロボットの操縦技術を見る為のものだからです」

(゚、゚トソン「それ以外のあらゆる戦略であるとか、操縦者の人格であるとか。そういったことは判断材料外となります」

(゚、゚トソン「私個人の意見としては、無駄な労力は使われないことをお勧めします」

(゚、゚トソン「そもそも我々の本来の対戦相手は『怪獣』です。奴らは時と場所を選ばずに襲ってくる災害です」

(゚、゚トソン「それを相手取った時に、先程申し上げたようなくだらない小細工などは一切意味を持ちません」

(゚、゚トソン「生き延びる為には、自身の操縦技術だけが頼りとなるのです。そのことをお忘れになりませんよう」


126 :名も無きAAのようです:2012/05/06(日) 04:06:35 ID:oX5J0Gfo0
(゚、゚トソン「最後に、操縦していただくロボットについてご説明致します」

(゚、゚トソン「皆さんに支給されるロボットは、SRX-β…通称『ベータ』です」

(゚、゚トソン「スギウラロボティクスとしては二世代前の旧式ロボットとなりますので、遠慮なく攻撃を加えてください」

(; ^ω^)「(二世代前っつったって、たった五年前のロボットじゃないかお…なんつう開発スピードだお…)」

(゚、゚トソン「また、ロボットの武装やカスタマイズに関しては皆さんの裁量に任されます」

(゚、゚トソン「それらの変更に関しては、当社の整備員が全力でサポートをさせて頂きます」

(゚、゚トソン「徹底的に負けの言い訳は立たせませんので悪しからず」

(゚、゚トソン「何かご質問があれば挙手をどうぞ」

( ´曲`)ノ ス…

(゚、゚トソン「137番の方。どうぞ」

( ´曲`)「万が一、相手が死んじまった場合は?」

(゚、゚トソン「その方に実力がなかったということでしょう」

(゚、゚トソン「巨大ロボットを操縦している時点で、生命の危険に関する同意は取られているものとみなされますしね。…ただし」

(゚、゚トソン「毎年そういう質問をなさる方に限って、早々に敗退した挙句不採用となっている、という興味深いデータがあることを申し添えておきます」

( ´曲`)「…了解」


127 :名も無きAAのようです:2012/05/06(日) 04:13:36 ID:oX5J0Gfo0
(゚、゚トソン「他にご質問は?」

(゚、゚トソン「…ないようですね。それでは…」

(゚、゚トソン「……」

(゚、゚トソン「もう一度だけ、念の為、重ね重ね、申し上げておきます」

(゚、゚トソン「このある意味前時代的な面接方法は、私の発案ではなく、取締役の発案です」

(゚、゚トソン「取締役の発案です」

(゚、゚トソン「大切なことなので二回言いました」

(゚、゚トソン「…では…すぅ…はぁ…」

(゚、゚トソン「……」

(゚、゚#トソン「『チキチキ!!21XX年度スギ☆ロボ!!パイロット採用大トーナメント~ポロリはないよ~』をスタート致します!!!」

(゚、゚トソン「……」

(゚、゚トソン「もう一度だけ、念の為、重ね重ね、わかっていることとは思うのですが、敢えて言わせていただ―」 ブツッ…

(; ^ω^)「……」


128 :名も無きAAのようです:2012/05/06(日) 04:18:02 ID:oX5J0Gfo0
(; ^ω^)「(ふー…ロボット同士の一騎打ち、と来たかお…)」

(; ^ω^)「(うーん、正直言って…『勝つ自信はある』けど…採用される自信は…)」

(; ^ω^)「(……)」

( ^ω^)「(止めるお。考えても仕方のないことだお…)」

( ^ω^)「(とにかく僕は、やるだけだお…)」



( ^ω^)「(内藤重工のために!!)」


.


129 :名も無きAAのようです:2012/05/06(日) 04:22:28 ID:oX5J0Gfo0
ξ゚⊿゚)ξ「…ねぇ、ブーン…大丈夫なのかしら?」

川 ゚ -゚)「ん?」

ξ゚⊿゚)ξ「だって、スギウラって商売敵なワケだし…ブーンを採用してくれるとは思えないんだけど…」

川 ゚ -゚)「あそこはそういうところに関してはクリーンな会社だ。実力さえあれば採用される。会社に対して金も出る」

ξ゚⊿゚)ξ「だけど…」

川 ゚ -゚)「問題があるとすれば、ブーンの実力で足りるかどうか?というその一点だけだ」

ξ゚⊿゚)ξ「うん、その点は特に心配してない」

川 ゚ -゚)「私も同意見だ。だからツン、お前はさっさとレジを打て」

ξ;゚⊿゚)ξ「うおぅっ!?すいませんお客様お待たせしましたー!」

内藤ホライゾンの勤務帳簿には、こう書いてあった。

『スギウラロボティクスへパイロットとして出向中。期間は未定』


130 :名も無きAAのようです:2012/05/06(日) 04:23:19 ID:oX5J0Gfo0



       ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓

         ( ^ω^)は巨大ロボットを操縦するようです

       ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛


       ┏        ┏
         第肆話      ロボットのない生活
              ┛                 ┛


       ┏
          終
             ┛


131 :名も無きAAのようです:2012/05/06(日) 04:28:18 ID:oX5J0Gfo0



       ┏
          次回
               ┛


       ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓

         ( ^ω^)は巨大ロボットを操縦するようです

       ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛


       ┏        ┏
         第伍話      (略)トーナメント(略)開始
              ┛                      ┛


.


←第3話へ
目次へ

( ^ω^)は巨大ロボットを操縦するようです 第3話 

70 :名も無きAAのようです:2012/04/21(土) 22:37:12 ID:LmfH4oIA0



       ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓

         ( ^ω^)は巨大ロボットを操縦するようです

       ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛


       ┏        ┏
         第参話      遺されたCPU
              ┛              ┛



72 :名も無きAAのようです:2012/04/21(土) 22:45:33 ID:LmfH4oIA0
某月某日、荒巻製作所。

('A`)「失礼しやーっす」

(´・ω・`)「あ、どうも鬱田さん。いつもお世話になってます」

('A`)「こんちは。すいませんね、歯車王の請求書が滞ってて」

(´・ω・`)「気にしないでください。困ってるのおやっさんだけですから」

('A`)「そう言ってもらえると助かります。で、そのおやっさんは?」

(´・ω・`)「ここんところ歯車王にかかりっきりで、奥から出てこないんですよ」

('A`)「あーマジっすか。ちょっと話がしたかったんすけど」

(´・ω・`)「うーん、僕らが呼んでも返事してくれないですからね」

('A`)「それ中で死んでたりしないっすか?」

(´・ω・`)「ははは、だったら面白いんですけどね。ご飯は差し入れてますよ。何か伝言でもしておきます?」

('A`)「いや、いいですよ。また来ます」

(´・ω・`)「わかりました。またよろしくお願いします」


73 :名も無きAAのようです:2012/04/21(土) 22:53:16 ID:LmfH4oIA0
川 ゚ -゚)「…どうだった?」

('A`)「現場を見るのはキツそうだな。従業員も締め出されてやがる」

ξ゚⊿゚)ξ「本当に一人で分析してるのね…」

川 ゚ -゚)「だから分け前が減ると以下略」

('A`)「手前の道楽に周りを巻き込みたくないんじゃねぇの?」

ξ゚⊿゚)ξ「それもあるのかもね」

川 ゚ -゚)「ともかく、このままじゃ値段を吊り上げようにも埒があかない」

川 ゚ -゚)「少し手荒なマネに出るとするか」

(;'A`)「マジ?そこまでする必要あるのか?」

川 ゚ -゚)「ある。でないと倒産する」

ξ;゚⊿゚)ξ「わーそんなレベルなんだー…うちの会社…」

川 ゚ -゚)「内藤重工を潰すわけにはいかない。みんなにも手伝ってもらうぞ」

('A`)「はいはい。とりあえず社に戻って内藤にも話そう」


74 :訂正:2012/04/21(土) 22:53:59 ID:LmfH4oIA0
川 ゚ -゚)「…どうだった?」

('A`)「現場を見るのはキツそうだな。従業員も締め出されてやがる」

ξ゚⊿゚)ξ「本当に一人で分析してるのね…」

川 ゚ -゚)「だから分け前が減ると以下略」

('A`)「手前の道楽に周りを巻き込みたくないんじゃねぇの?」

ξ゚⊿゚)ξ「それもあるのかもね」

川 ゚ -゚)「ともかく、このままじゃ値段を吊り上げようにも埒があかない」

川 ゚ -゚)「少し手荒なマネに出るとするか」

(;'A`)「マジ?そこまでする必要あるのか?」

川 ゚ -゚)「ある。でないと倒産する」

ξ;゚⊿゚)ξ「わーそんなレベルなんだー…うちの会社…」

川 ゚ -゚)「内藤重工を潰すわけにはいかない。みんなにも手伝ってもらうぞ」

('A`)「はいはい。とりあえず社に戻ってブーンにも話そう」


75 :名も無きAAのようです:2012/04/21(土) 23:01:25 ID:LmfH4oIA0
( ^ω^)「――で」

川 ゚ -゚)「ん?」 カチャカチャ

( ^ω^)「マジで忍び込む気かお?」

川 ゚ -゚)「当然」 カチャカチャ

深夜。内藤たちは荒巻製作所の前に集まっていた。

('A`)「今更確認するなよ」

ξ゚⊿゚)ξ「そーよそーよ。一人だけいい子ぶろうったってそうはいかないんだから」

( ^ω^)「うん、いい子ぶるとか何とかの前に普通に犯罪だからね?」

川 ゚ -゚)「とかなんとか言ってる間に鍵が開いたぞ」

(;^ω^)「ゲゲェー!!何この子のピッキング技術!!」

('A`)「叫ぶなバカモノ。気付かれるぞ」


76 :名も無きAAのようです:2012/04/21(土) 23:08:44 ID:LmfH4oIA0


            ┌──┐
          ∪ |::━◎┥∪
           V|    |V
            |:日 日:|
            └┬┬┘
             亠亠


('A`)「おーおー歯車王や…こんなにボロボロになって…」

ξ゚⊿゚)ξ「おじいちゃんか。ていうか全然ご健在じゃない」

( ^ω^)「なんかすごく久しぶりな気分だお…」

川 ゚ -゚)「おい、荒巻さんの研究室の鍵開いたぞ」

(;'A`)「え、マジ?そこ電子ロックだぞ?」

川 ゚ -゚)「この程度チョロいチョロい」

ξ;゚⊿゚)ξ「敵に回したくねぇ…この女…」

(;^ω^)「全面的に同意だお」


77 :名も無きAAのようです:2012/04/21(土) 23:17:29 ID:LmfH4oIA0
キィ…

('A`)「お邪魔しまーっす」

ξ゚⊿゚)ξ「うわ、機械やら部品やら…すごい部屋ね」

川 ゚ -゚)「さしずめ大人のおもちゃ箱と言ったところか」

ξ;゚⊿゚)ξ「なんか嫌な言い方だなぁ」

('A`)「見ろよゴッグの爪だ!レアモンだぞ!」

川 ゚ -゚)「関係ないものは放っておけ。しかし暗いな…」

ξ゚⊿゚)ξ「ライト付けるわね」

( ^ω^)「待った」

ξ゚⊿゚)ξ「?」

( ^ω^)「…多分、これだお。歯車王のCPU」

川 ゚ -゚)「わかるのか?」

( ^ω^)「うん。なんとなく、呼ばれてるような感じがして」

('A`)「厨二乙。お、ジオングのモノアイ見っけ」


78 :名も無きAAのようです:2012/04/21(土) 23:26:29 ID:LmfH4oIA0
川 ゚ -゚)「ツン、ちょっと照らしてくれ」

ξ゚⊿゚)ξ「はいはい」 カチッ

川 ゚ -゚)「…ここを見ろ。歯車王の型式が書いてある」

( ^ω^)「合ってたみたいだおね」

川 ゚ -゚)「ということは、ここら一帯が性能試験に使ったパソコンか…ドクオ」

('A`)「はいはい、っと…当然のようにパスワードがかかってるな」

川 ゚ -゚)「そこのメモリにこれを接続しろ」

('A`)「あい」

ピローン

川 ゚ -゚)「通ったぞ」

(;^ω^)「…クー、うちなんかより他で働いた方が稼げるんじゃないかお?」

川 ゚ -゚)「内藤重工で働かなければ意味がない」

ξ゚⊿゚)ξ「ありがたやありがたや。ほらブーンも拝む」

(;^ω^)「はいお…」


79 :名も無きAAのようです:2012/04/21(土) 23:35:02 ID:LmfH4oIA0
川 ゚ -゚)「で、中身はどうだ?」

('A`)「試験は一通り済んだらしいな。成長のことにも気付いたみたいだ」

ξ゚⊿゚)ξ「私たちが気付かなかったことにこんな短期間で気付くとは…」

川 ゚ -゚)「いや、お前とブーンだけだからな。気付いてなかったの」

('A`)「…お、この辺のデータはうちの設備じゃ取れなかったとこだな」

川 ゚ -゚)「頂いておこう。証拠は多いほうがいい」

('A`)「ういっす」

( ^ω^)「……」

ξ゚⊿゚)ξ「どうしたの、ブーン?」

( ^ω^)「いや、なんか…ドクオ、プロジェクターみたいなものってなかったかお?」

('A`)「そっちにあったけど」

( ^ω^)「このCPU、それに繋いでほしいんだお」

川 ゚ -゚)「なんだ?あまり無駄なことは」

('A`)「社長命令だ、俺は従うぜ。貸せ、ブーン」

川 ゚ -゚)「…まぁいい。私はこっちのデータをもう少し探るからな」


80 :名も無きAAのようです:2012/04/21(土) 23:40:13 ID:LmfH4oIA0
('A`)「…うし。これでCPUの中の映像データがプロジェクターに送れるはずだ」

ξ゚⊿゚)ξ「でも、そんなデータ入ってるの?これ?」

('A`)「普通に考えれば入ってない。しかしブーンの勘は当たる」

( ^ω^)「だお」

ξ゚⊿゚)ξ「まぁそれは経験上知ってるけど…」

('A`)「さて、何が出るかなーっと…」

カチカチ

( ^ω^)「……」

('A`)「……」

ξ゚⊿゚)ξ「……」

ξ゚⊿゚)ξ「何も出ない…わね」

('A`)「んー。やっぱり空っぽか…」

( ^ω^)「いや…違うお」

::::::::::::::::::::: ヴヴ…


81 :名も無きAAのようです:2012/04/21(土) 23:44:02 ID:LmfH4oIA0
:::::_ゝ:::::: ヴヴヴ…

('A`)「…人…か…?」

ξ゚⊿゚)ξ「もしかして、ブーンのお父さんじゃない?」

( ^ω^)「うん、そうかも…」

ヴヴヴヴ…

ヴヴ…

(´・_ゝ・`)

( ^ω^)

('A`)

ξ゚⊿゚)ξ

( ^ω^)


82 :名も無きAAのようです:2012/04/21(土) 23:45:42 ID:LmfH4oIA0





( ^ω^)('A`)ξ゚⊿゚)ξ「「「(誰…?)」」」




.

84 :名も無きAAのようです:2012/04/21(土) 23:55:24 ID:LmfH4oIA0
( ^ω^)「え、いや、え?誰?」

('A`)「あ、やっぱお前も思ってた?」

ξ゚⊿゚)ξ「良かったー、私だけ誰かわかってないのかと思った…」

(´・_ゝ・`)『やぁ、久しぶりだね。君がこの映像を見ているということは、僕はもうこの世にいないのだろう』

('A`)「おい、何か語り出したぞ」

( ^ω^)「どうやら故人らしいということだけわかったお」

(´・_ゝ・`)『歯車王の調子はどうかな?自信作ではあるんだけど、動いているところを僕は見られなかったからね』

ξ゚⊿゚)ξ「あれ?歯車王ってブーンのお父さんが作ったんじゃなかったかしら?」

( ^ω^)「うん、僕はそう聞いてるけど…」

(´・_ゝ・`)『さて。僕がこんなメッセージをこのCPUに遺したのは他でもない』

('A`)「お、どうやらここからが核心部分らしいぞ」


85 :名も無きAAのようです:2012/04/22(日) 00:00:03 ID:S1YFnrGY0
(´・_ゝ・`)『他でもない』

(´・_ゝ・`)『他でもない』

(´・_ゝ・`)『ほっほほっほほほっほっ』

(´・_ゝ・`)『他でもななっなっななっ他他他他』

(;'A`)「調子悪くなったぞ」

(;^ω^)「まぁもう大分古いCPUだし…」

(´・_ゝ・`)

(´・_ゝ・`)『今のはちょっとしたジョークさ』

ξ;゚⊿゚)ξ「わざとだったのかよ!!」

('A`)「めんどくせぇ~こいつめんどくせぇ~」

( ^ω^)「まぁまぁ…」

(´・_ゝ・`)『さて、本題に戻ろうか。まずは怪獣のことだ』

( ^ω^)「!」


86 :名も無きAAのようです:2012/04/22(日) 00:11:47 ID:S1YFnrGY0
(´・_ゝ・`)『僕が奴ら…怪獣に対抗するために歯車王を作ったことは知っているね』

(´・_ゝ・`)

(´・_ゝ・`)『知ってるよね?』

('A`)「知らねーよ」

(´・_ゝ・`)『そうか、良かった』

ξ゚⊿゚)ξ「微妙に食い違ってるけど」

(´・_ゝ・`)『奴らにはある特長がある。それは、異常な成長スピードだ』

(´・_ゝ・`)『奴らは現れる度にバカみたいなスピードで成長していく』

(´・_ゝ・`)

(´・_ゝ・`)『どうでもいいけど、この言い方だと全然成長しないみたいだよね』

('A`)「このおっさん無駄話多いな」

( ^ω^)「こういうおじさん良くいるおね」


87 :名も無きAAのようです:2012/04/22(日) 00:30:01 ID:S1YFnrGY0
(´・_ゝ・`)『だから僕はこのCPUにちょっとした工夫を施した』

(´・_ゝ・`)『それは成長のプログラム』

(´・_ゝ・`)『健やかなるときも、病めるときも、喜びのときも、悲しみのときも、富めるときも、貧しいときも』

(´・_ゝ・`)『ひたすらひたすら勤勉にお勉強を続けるプログラムさ』

ξ゚⊿゚)ξ「そんなプログラムって組めるの?」

('A`)「自己学習AIは確かにあるが…歯車王の成長速度はそんなレベルを超えちゃってるんだよなぁ」

(´・_ゝ・`)『そう。このCPUには、人の脳を移植してある』

(;^ω^)「え…」

('A`)「脳をまるごとデータにして移植したっていうのか?」

ξ;゚⊿゚)ξ「それこそ可能なのかしら…」

(´・_ゝ・`)『人の脳の容量は約10テラバイトと言われていた。けど、実際にはもっと少なく済んだよ』

(´・_ゝ・`)『もっとも、僕のスカスカな脳を使ったからかもしれないがね』

(;^ω^)「……」


88 :名も無きAAのようです:2012/04/22(日) 00:37:30 ID:S1YFnrGY0
('A`)「そんないわく付きのCPUだったとは…」

(´・_ゝ・`)『といっても、データに変換できるのはあくまで人の考え方だけ』

(´・_ゝ・`)『僕の記憶は残せない。そういう結論に達した』

(´・_ゝ・`)『だから、この映像データを遺したんだ。君に…』

(´・_ゝ・`)『内藤に、僕の遺志を伝える為に』

('A`)「…ブーンの親父さん、ってことだろうな」

ξ゚⊿゚)ξ「多分…」

(´・_ゝ・`)『君は最後までこの方法に反対していたよね』

(´・_ゝ・`)『君の気持ちはわかる。僕がやったことは、ある種人間倫理に反しているだろう』

(´・_ゝ・`)『しかし、怪獣に対抗するためにはなんとしても必要だった』

(´・_ゝ・`)『人間の想像力を機械に宿す方法が』


89 :名も無きAAのようです:2012/04/22(日) 00:44:16 ID:S1YFnrGY0
(´・_ゝ・`)『僕は僕自身の末路を非業の死とは思っていない』

(´・_ゝ・`)『だから君も、僕の死を気にしないでほしい』

(´・_ゝ・`)『あ、やっぱり年に一回ぐらいは気にしてくれ』

(´・_ゝ・`)『歯車王は自信作だけど不完全だ。それを完成させる役目を、僕は君に託した』

(´・_ゝ・`)『君の息子が大きくなる前に、怪獣をぶっ潰してしまってくれよ』

(´・_ゝ・`)『でないと化けて出てやるからね。末代まで呪うからね』

(´・_ゝ・`)

(´・_ゝ・`)『これはマジだからね』

ヴヴ…

('A`)「どうでもいいことを念押しして消えていったな」

ξ゚⊿゚)ξ「はー。機械に歴史ありね」

( ^ω^)「…思い出したお。この人、盛岡さんだお」

('A`)「知っているのか雷電」

( ^ω^)「雷電じゃないけど」


90 :名も無きAAのようです:2012/04/22(日) 00:52:09 ID:S1YFnrGY0
( ^ω^)「昔僕んちに遊びに来て、僕のおもちゃを壊して帰っていったおじさんだお」

ξ;゚⊿゚)ξ「サイアクな覚えられ方してる!!」

( ^ω^)「父さんは友達だって言ってたけど、道理であの後顔を見た覚えがなかったわけだお…」

('A`)「こんなちっこいCPUの中に眠っちまったわけか」

ξ゚⊿゚)ξ「…ねぇ、荒巻さんってこのCPU…どうすると思う?」

('A`)「さっき取ったデータじゃ、他の機械に転用できないか考えてるような節が見られた」

('A`)「歯車王にしか適合しなかったらしいけど。プロテクトが破られるのも時間の問題じゃねーの?」

ξ゚⊿゚)ξ「そっか…」

( ^ω^)「…よし」

('A`)「お、何か決断したな」

( ^ω^)「うん。クーには悪いけど、このCPUは売れないお」

川 ゚ -゚)「言うと思った」

(;^ω^)「うお!いつの間に!」

川 ゚ -゚)「あんまりうるさいんで途中から見ていた」

92 :名も無きAAのようです:2012/04/22(日) 01:01:40 ID:S1YFnrGY0
( ^ω^)「…このCPUは、僕が…僕たちが受け継がなくちゃ、ダメなもんだお」

('A`)「歯車王の本体はいいのかよ?」

( ^ω^)「よくないお。だから、いつか返してもらうお」

ξ;゚⊿゚)ξ「ちょ、マジ?」

川 ゚ -゚)「それも言うと思った」

( ^ω^)「質屋に入れるようなもんだと思えばいいお」

('A`)「随分でけぇ担保だな」

( ^ω^)「いつか…そう遠くないうちに。内藤重工を復興させて」

( ^ω^)「歯車王を、荒巻さんから買いなおすお!」

ξ;゚⊿゚)ξ「えー…すっごい金食うのにー…」

川 ゚ -゚)「諦めろ。社長命令だ」

( ^ω^)「その程度の維持費なんて気にならないぐらい稼げばいいだけの話だお!」

('A`)「言い切ったなぁ」


93 :名も無きAAのようです:2012/04/22(日) 01:14:14 ID:S1YFnrGY0
( ^ω^)「というわけで、CPUを持ってさっさと逃げるとするお」

川 ゚ -゚)「それじゃこれを代わりに置いておくか」

ξ゚⊿゚)ξ「何それ?」

川 ゚ -゚)「ダミーCPU」

('A`)「性能がダンチだからすぐバレるとは思うが。荒巻さんも踏み込んじゃこないだろ」

川 ゚ -゚)「パーツだけでも相当値打ち物だしな。コレクションには十分さ」

ξ゚⊿゚)ξ「…にしても、あっさり引き下がるのねクー。あんなに売る気マンマンだったのに」

川 ゚ -゚)「引き際も肝心と心得ているんでな。今からブーンを説得する暇はない」

('A`)「しても意味ないだろうしな」

ξ゚⊿゚)ξ「確かにね…」

( ^ω^)「僕って変な所で頑固だから」

ξ゚⊿゚)ξ「自分で言うんだ…」

( ^ω^)「さ、会社に帰ってお金稼ぎの方法でも考えるとするお!」


94 :名も無きAAのようです:2012/04/22(日) 01:15:57 ID:S1YFnrGY0



       ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓

         ( ^ω^)は巨大ロボットを操縦するようです

       ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛


       ┏        ┏
         第参話      遺されたCPU
              ┛              ┛


       ┏
          終
             ┛

96 :名も無きAAのようです:2012/04/22(日) 01:20:21 ID:S1YFnrGY0


       ┏
          次回
               ┛


       ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓

         ( ^ω^)は巨大ロボットを操縦するようです

       ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛


       ┏        ┏
         第肆話      ロボットのない生活
              ┛                 ┛



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( ^ω^)性欲豚がオトナのお店に入り浸るようです 第6話 

210 :名も無きAAのようです:2012/04/25(水) 14:27:09 ID:6KuxaYmUO
当たり前の話をするが、男は皆おっぱいが好きだ。
もちろん女の子も好きだが、おっぱいも大好きなのだ。
みたい、もみたい、すいつきたいのだ。
男はみんな女の子のおっぱいが大好きなのだ。
小さくても大きくても、おっぱいが好きなのだ。
触れたくても触れられない、おっぱいこそがまさに高嶺の花なのだ。
嶺上パイ花なのだ。
西○カナが人気なのは、会いたくておっぱいがふるえるからなのだ。
そして男はおっぱいの虜になるのだ。
こちらがおっぱいを覗く時、おっぱいもまたこちらを覗いているのだ。
話は変わるが、男はみんなおっぱいが大好きなのだ。


211 :名も無きAAのようです:2012/04/25(水) 14:29:29 ID:6KuxaYmUO
( ^ω^)性欲豚がオトナのお店に入り浸るようです

その六「性欲豚、おっパブに行く」


212 :名も無きAAのようです:2012/04/25(水) 14:33:21 ID:6KuxaYmUO
( *・∀・)「だからぁ!AVの女優が顔に出されてんのはあれ人工精液なんだってば!
      ちんこの裏に管をもっといて、しぼりだしてんだよ!」

( *^ω^)「マジかお!?通りで女優達が抵抗無く飲んでるわけだお!」

( *・∀・)「あぁ!噂によると甘いらしいぜ!ひゃははは」

(*´ーωー`)「うぅー……」

( *^ω^)「なるほど、たまにめちゃくちゃ出してるやついると思ったら人工精液なのか!納得だお!」

店員「あの、お客様方……」

( *・∀・)( *^ω^)

店員「もう少しトーンを落として頂けますか……その……周りのお客様のご迷惑に……」

( *^ω^)( *・∀・)

( *^ω^)(・∀・* )

( ^ω^ )( ・∀・ )


213 :名も無きAAのようです:2012/04/25(水) 14:35:34 ID:6KuxaYmUO
( *・∀・)「追い出されちゃいましたね」

( *^ω^)「ましたね」

(*´ーωー`)「ねむたい」

( ;^ω^)「こいつに至っては泥酔ですし……肩貸してやってんだからしっかり歩けお」

(*´ーωー`)「きもちわるい」

( ;^ω^)「あ、おい、吐くなよ。吐くときは言えよ」

(*´ーωー`)「だいじょぶ……」

( ;^ω^)「心配しかねぇお……」

( *・∀・)「あんな大声でAVの話するんじゃあなかったな」

( *^ω^)「隣のJD集団とかドン引きだったおね……」


214 :名も無きAAのようです:2012/04/25(水) 14:37:49 ID:6KuxaYmUO
( *・∀・)「さて、今日も時間を持て余して夜遊びにかまける我ら風俗巡り一行ですが」

( *^ω^)「おいなんだおその風俗巡り一行って。如何わしい言い方やめろお」

(*´ーωー`)「なるほど、股間がぶらり途中下車……と」

( *^ω^)「なんかうまい事言った風だけどぜんぜん面白くないからなそれ。」

( *・∀・)「最近はレベルを上げすぎてた感があるな」

( *^ω^)「確かに、万札がばんばん飛んでくんだもんなぁ……」

(*´ーωー`)「この前のビッパー新地はやりすぎたね」

( *^ω^)「お。でも最高だったお」

( *・∀・)「まぁな。というわけで、今日は酔ってるわけだしグレードを一段階落とそう」

( *・∀・)「ブーンも童貞捨てた事だし」

( *・∀・)ノ「今日はおっパブに行ってみようぜぇぇぇぇ!!」


215 :名も無きAAのようです:2012/04/25(水) 14:40:40 ID:6KuxaYmUO
( *^ω^)「おっパブ?」

( *・∀・)「おっぱいパブだよ」

( *^ω^)「ほう、おっぱいパブ……?」

( *・∀・)「うん、おっぱいパブ。セクキャバとも言う」

( *^ω^)「YES,OPPAI?」

( *・∀・)「SO!OPPAI!!」

( *^ω^)(・∀・* )「wwwwwwww」

( *^ω^)「……つまり、何が出来るんだお?」

( *・∀・)「まぁ……要はエッチな事出来るキャバクラだと思え」

( *^ω^)「……ほぅ」

( *・∀・)「まぁ当然キャバクラよりは女の子のレベルは落ちるけどな。サービスレベルにより」

( *^ω^)「キャバクラ>おっパブ>ピンサロみたいな?」

( *・∀・)「そうそう。女の子の可愛さとサービスは基本的に反比例すると思ってればいい」

( *^ω^)「おっパブは中間なんだおね」

( *・∀・)「そう。しかし……だから今こそ、行くべきだ!」

( *^ω^)「!!?」


216 :名も無きAAのようです:2012/04/25(水) 14:44:21 ID:6KuxaYmUO
( *^ω^)「なっ……なぜ!?なぜ今なんだお!?気になるお!」

( *ー∀・)「なぜって?……気付かないのか、ブーン」

ヽ( *・∀・)ノ「何故なら俺達ゃ今……酔ってるじゃないか!」

( *^ω^) ハッ!

( *^ω^)「つ……つまり!酔った今なら普通の女の子も極上の可愛さに見えると……!まさかモララー、そこまで見越して僕らに酒を勧めていたのかお!?」

( *・∀・)「気付いたか!?そう、全てはこの時の為の伏線!おっぱいを揉む為の伏線だったのさ!」

( *^ω^)「うおおおおおおおお!モララーさんすげぇぇぇぇぇ!!」

(*´ーωー`)「吐きそう」

( ^ω^)「おい待て、いきなりこのタイミングかお……ほらこっちが河だお」

(*´ーωー`)「ありがおろろろろろろろろろろろろろろろろ」ビチャビチャ

( ^ω^)「うわぁ」

228 :名も無きAAのようです:2012/05/01(火) 13:09:24 ID:2UxfnJGsO
( *・∀・)「とりあえず、お前らのそれは肯定意見と見ていいんだな?」

( *^ω^)「僕はもちろんだお!可愛い女の子の乳が揉み放題なんて、こんな幸せはないお!」

(*´ーωー`)「ぼくも、お金次第かな」

( *^ω^)「お前一番金の心配いらないだろうがお……」

( *・∀・)「確か45分で8000円……だったかな?あ」

( *・∀・)「いや、違う」

( *・∀・))ゴソゴソ

( *^ω^)「お?」

( *・∀・)ノ■「よく考えたら俺、メンバーズカード持ってたわ。これなら確か、一人4000円で済むはず」

( *^ω^)

( *^ω^)(こ、こいつ……)

(*´ーωー`)「半額か。いいね。4000円で揉み放題か」

( *・∀・)「いやいや、待て」

( *・∀・)「話はここからだ」

230 :名も無きAAのようです:2012/05/01(火) 13:24:57 ID:2UxfnJGsO
( *・∀・)「ここで一つ、おっパブの形態について教えよう」

( *^ω^)「形態?」

( *・∀・)「ああ。ざっと2つ、種類があるんだよ」

( *・∀・)「それは、席が個室か広間か。個室のイメージはネカフェの一部屋、広間のイメージはカラオケくらいにしとけ」

( *^ω^)「お、おお」

( *・∀・)「まぁ、皆で喋りながらいろエロするなら広間のがいいよ。雰囲気はもろキャバクラだ。しかし、個室」

( *・∀・)「この個室がすごい。ここで一つ、追加料金1500円を加えますと」

( *・∀・)「カーテンがつきます」

( *^ω^)

( *^ω^)「……カー……テン……?」

( *・∀・)「個室がカーテンで閉められて、完全に密室になる」

( *^ω^)

( *゚ω゚)「ま……まさか……」

( *・∀・)「……そうさ」

( *・∀・)「サービスが段違いになるんだよ……」

( *゚ω゚)ゾクッ……

232 :名も無きAAのようです:2012/05/01(火) 13:36:02 ID:2UxfnJGsO
(´・ω・`)「まさか、下のおさわりもアリに……?」

(;^ω^)「うお、いきなりシラフに戻んなおお前」

( *・∀・)「さーな。交渉次第さ……いつもと同じでな」

( *・∀・)「あ、指名をすればその可能性もはね上がるぜ」

( *^ω^)「なんと……まさかそこそこ可愛い女の子とそこまで出来るとは……」

( *・∀・)「よし、お前ら」

( *ー∀・)「攻めるぜ!」

( *^ω^)ノ「おー!」

(*´ーωー`)「おおー」

(^ω^ )「だからお前元気なのかしんどいのかはっきりしろお」

(*´ーωー`)「もうちょいおぶってて」

(^ω^ )「お前、絶対歩くのがだるいだけだろ」


233 :名も無きAAのようです:2012/05/01(火) 13:47:38 ID:2UxfnJGsO
( ∵)( ∵)( ∵)そんなわけで、店に到着(∵ )(∵ )(∵ )

( *・∀・)「ついた」

( *^ω^)「お。いつものように雑居ビルだお」

(´・ω・`)「ここのエレベーターの3Fか」

( *^ω^)「やっぱお前、平気じゃねえか」

( *・∀・)「とりあえず、行こう」






( *・∀・)「こんちゃーっす」

( ∵)「いらっしゃ……あ!モララーさん!お久しぶりです!」

( ∵)←お店のry どこかでry

( *・∀・)「あービコさん!お久しぶりっす!」

( ∵)「ホントに久しぶりじゃないですかー!最近来てくれないからうちの子達が寂しがって仕方なかったですよ!」

( *・∀・)「うそつけww」


234 :名も無きAAのようです:2012/05/01(火) 13:55:37 ID:2UxfnJGsO
( *・∀・)「まぁ今日友達も2人つれてきたからね。がっつり遊ばしてもらうよ。とりあえず、これカードな」

( ∵)「はーい!ハンコ押しときますね」

( *^ω^)(? ハンコ溜まったらなんかあんの?)

( *・∀・)(? 知らね。指名料無料とかそんなんじゃね?)

( *^ω^)(知らないっておま……)

( *・∀・)(いや、だって書いてないんだもん)

( ∵)「はい。今日はどうされますか?」

( *・∀・)「3人とも個室のカーテン付きで」

( ∵)「わかりました!」

( *・∀・)「あ、俺はゆみちゃん指名で」

( ∵)「了解でーす」

( *^ω^)「うわ、なんかずるいそれ」

(´・ω・`)「まぁ僕らも、可愛い子見つけて指名すればいいさ」

( *・∀・)「そーだそーだ」

( *・∀・)「じゃ、行くか」


235 :名も無きAAのようです:2012/05/01(火) 14:05:10 ID:2UxfnJGsO
こうして外の待合室で少し待たされた後、一人一人中に連れていかれた。

( ∵)「じゃ、モララーさんから」

( *・∀・)「あぁ」

まずは指名したモララーが連れていかれた。

( *・∀・)「じゃあ頑張れよ。延長するならメールくれ」

(´・ω・`)「わかったよ」

( *^ω^)「お」

次に、僕かショボンという事だったので
ここは真剣勝負(じゃんけん)の末、僕が先に行く事に。

( *^ω^)「じゃあ僕が行くお」

(´・ω・`)「行ってら……」

( ∵)「はい、じゃあ兄貴。規則を説明しときますね」

( *^ω^)「お」

( ∵)「まず、嬢の嫌がる事は絶対にやめてください。それ以外でしたら、触る舐める乗せるご自由にどうぞ」

( *^ω^)「お」

つまり逆に言えば、嬢と合意の上ならどこまでもやっていい、という事を揶揄させる言い回しだ。
そこまでの交渉が出来るようなタマじゃないので、あまりでしゃばった行為には僕は及べないだろうけど

( ∵)「兄貴は指名してないので、15分×3人の女の子が交代で出てきます。気に入った子がいれば指名お願いしますね」

( *^ω^)「わかったお!」


236 :名も無きAAのようです:2012/05/01(火) 16:08:06 ID:2UxfnJGsO
ドアを開ければ、そこは既に熱気の蓆。BGMが爆音で鳴り、五感を圧倒する。

雰囲気としては以前行ったピンサロのような、桃色の雰囲気。
しかし派手さで言えば、こちらの圧勝だ。
その薄暗さがかなりの興奮を駆り立てる。

( ∵)「じゃあこちらで待機お願いしますね、後から女の子が来ますので。焼酎、ビール、お茶等は無料の飲み放題となってますので」

( *^ω^)「あ、じゃあお茶」

( ∵)「はい!では失礼しますねー」

( *^ω^)「……ん?」

気長に待とうとBGMによく耳を凝らせば、聞き覚えのあるリズムだった。
リズムというより、曲。

( *^ω^)「あ、アンインストールだこれ……」

アニメ、ぼくらののOPがテクノビート調にアレンジされ、爆音で流されているのだ。

こんなところに来てまで、アニソンを聞く事になるとは思わなかったと
びっくりしつつ、運ばれてきた茶に口をつけた。

242 :名も無きAAのようです:2012/05/02(水) 21:38:11 ID:ad0K0TfIO

「これあれじゃん!お前見てたアニメのやつじゃん!」

( *^ω^)「お?」

ヾ( *・|カーテン

よく見れば目の前を仕切るカーテンから、モララーがちらりと顔をだしていた。

なるほど、向かい側の席はモララーが楽しんでいる最中らしい。

( *^ω^)「おお、モララー。そうそう、アンインストールだお」

( *・|カーテン 「だよな!こr」

「ちょっとモララーくぅん!私をほっとかないでよぉ~!」

ミ|カーテン 「ああごめんごめん、ちょっと友達がさ」

「あたしより友達の方が大事なの~?」

「あーそういう事言うんだwwあゆちゃんって言って欲しいの?」

「言って欲しい~ww」

「言わないww」

「なんでよぉ~いじわる~ww」

( *^ω^)(oh……)

ホントにお楽しみ最中だったか。
しかしまぁ、ここから聞こえるに限れば、セクキャバというやつは
直線的なおさわりでなく、女の子とのイチャイチャも楽しめるらしい。
モララーがいま嬢としている会話は、僕が普段ならリア充爆発しろと言ってしまいそうなそれだ。


243 :名も無きAAのようです:2012/05/02(水) 21:45:08 ID:ad0K0TfIO
「君が一番って言って欲しいの?」

「うん。あたしが一番じゃなきゃやだぁ~ww」

( *^ω^)(あらあら、イチャついちゃってまぁ……)


「だったら、こんな事もしちゃっていいわけだよね?」

「ひゃっ!あっ……///そこ、ダメだよ。怒られるよ……///」

( *^ω^)

「バレたらだろ?じゃあやめた方がいいの?」

「……モララーくぅん……いじわる……///」

「ほら、どっちだよ。別に俺、おっぱいだけでもいいけど?」

「……触って欲しいの……///」

「よしよし、よく言えました」

「ぃあっ……声っ、でちゃうよ……///」

「はは、じゃあちゅーしてあげよう」

( ^ω^)

(;゚ω゚)「!!?」

僕はその時、モララーの凄さの片鱗を見た気がした。


244 :名も無きAAのようです:2012/05/02(水) 21:52:14 ID:ad0K0TfIO
カーテン越しだからわからないけど。
いやマジで、カーテン越しだからわからないけど……これ、モララーくん、確実に下触ってるよね?

(;*^ω^)(なんて野郎だお……さすがにイケメンか……)

しかしまぁ、裏を返せば僕もそこまでの行為に及べる可能性もあるってことか。

( *^ω^)(たぶんモララーは前回来た時にそうやってサービスのいい女の子を見つけ、今回こうして指名してサービス域を広げてる……って事だろうね)

( *^ω^)(僕も見つけたら即指名だお。なんなら、一人目でも……)


「こんばんわ~」


( *^ω^)「お」(きた!!)


245 :名も無きAAのようです:2012/05/02(水) 21:53:50 ID:ad0K0TfIO

川::━◎┥「ハグルマで~す♪よろしく♪」



( *^ω^)

( ゚ω゚)

川::━◎┥「えへ、今日はよろしくね~♪」


(ヽ゚ω゚)

::(ヽ゚ω゚)::

248 :名も無きAAのようです:2012/05/02(水) 22:03:14 ID:ad0K0TfIO

ロボコップだ。
少し薄目のドレスを着たロボコップが、そこにいた。

川::━◎┥「よいしょ、と。へへ、今日、暑いね♪」

ロボコップが隣に座ってきた。

(;^ω^)「え、あ、よろしく」

川::━◎┥「んふふ、さっそく胸に目がいってるジャン♪」

そのロボコップすぎる顔に目が行きまったく見ていなかったのだが、なぜか谷間を強調してきた。
よせ、貴様はロボコップだ。
無茶をするな。

川::━◎┥「ねぇ、触りたかったら触っていいんだよ?」

(;^ω^)(うお、おっぱい……)

なんと、さっそく胸を露にするロボコップ。
焦らしの欠片もない。

川::━◎┥「ふふ、どーお?」

ロボコップの父は、少し垂れ気味のBくらいだった。
なんだ、チタン合金性にしては、ふにゃふにゃなおっぱいだなロボコップ。

(;^ω^)「え、あ」

当然あまり触りたくないのだが、そんな事を考えてる間に右手をロボコップに捕まれ、そして胸にあてがわれた。

川::━◎┥「ほら……」

(;^ω^)

(;゚ω゚)


249 :ごめんなさい父→乳:2012/05/02(水) 22:12:43 ID:ad0K0TfIO
川::━◎┥

そう。
僕がその時触ったのはおっぱい。紛れもなくおっぱいだ。
しかしなんだろう。

(ヽ;ω;)

―――僕が求めていたのはこれじゃない。

結局僕は目を背けていただけなのだろう。
本番無しの店だからって、そこそこいい女の子に当たる保証など何も無いのだ。
希望的観測に目を向けていただけ。

しかし現実はロボコップ。
一寸先はロボコップ。
転ばぬ先にロボコップ。転んだ先にもロボコップ。

踏んだり蹴ったりならぬ、ロボコップロボコップと言ったところだ。

「どう?ここ弱い?」

「あぁ、モララーくん……激しっ……///」

目の前からは女の子の嬌声が聞こえる。
ああ、幸せよ、僕に振り向いてくれないか。



川::━◎┥「ふふ……お兄さん、緊張してるの?」

(ヽ゚ω゚)(う)

ふー、と耳に息をかけられる。
その吐息の嫌悪感と来たら、まさしく滅びのバーストストリームだった。
酔いざましに最適な、悪魔のような15分間だった。

253 :名も無きAAのようです:2012/05/02(水) 22:34:45 ID:ad0K0TfIO

川::━◎┥「じゃあ時間だから、行くね……またね♪」

(ヽ゚ω゚)

悪魔の15分が終わった。

この時のお茶はマジで別格だった。
涙が出そうなくらい別格だった。

しかし油断はならない。
なんせ、いま見たのはロボコップだ。
一ロボコップ去ってまた一ロボコップがあるかも知れない。

ロボコップは一匹見たら30匹は居ると思った方がいいだろう。

(ヽ´ω`)「……」

声も出なかった。
目の前でモララーが幸せ畑の茶摘みをしてるところに、この有り様だ。
ダメージはデカイ。

次の女の子が可愛い事を願うばかりだが……。

「こんばんわー」


(ヽ´ω`)(頼む、次は、可愛い子を……)


254 :名も無きAAのようです:2012/05/02(水) 22:45:12 ID:ad0K0TfIO
(*゚∀゚)「どうも!つーちゃんだよ!」

(ヽ´ω`)

(ヽ´ω`)

( *゚ω゚)「!!!」

可愛い。
フツーに可愛らしい顔付き。

しかし、評価すべきはそこじゃない。
真に評価すべきはそこでなく、服装。



裸Yシャツだった。

(*゚∀゚)「?」

裸Yシャツだった。

( *゚ω゚)「裸Yシャツだった!!」


シャツの半端に閉じられたボタンから、強烈な谷間が見え隠れ。

これにはブーンさんも思わず満面の笑みだ。

259 :名も無きAAのようです:2012/05/02(水) 23:00:55 ID:ad0K0TfIO
裸Yシャツと裸エプロン。


この男の夢たる両極は、いつだって傍らにある。


例えば財布を拾えば、脳内に天使と悪魔が出てきて
その財布を盗むか交番に届けるかというジレンマシチュエーションがよくあるだろう。

同じく男は、女性の裸を見れば
Yシャツを着せるかエプロンを着せるかというジレンマに悩まされる。

その中で僕は、生粋の裸Yシャツ派だ。

フォーマルなものをアブノーマルにしようする背徳感。

これぞ最強。

(;*゚∀゚)「え?お客さん?」

( *゚ω゚)「しっ……指名させてください!」

(;*゚∀゚)「え?まじ?いいの?」

( *^ω^)「いいも何も!最高だお、その……」

(*゚∀゚)「ん……これ?」

これ?とYシャツを指差す女の子。つーちゃんと名乗ったか。
そう、まさしくそれ。

(*゚∀゚)「へへ、お兄さん、好き者だねw」

( *^ω^)「ぼく、裸Yシャツ大っ好きなんだお!」

(*゚∀゚)「んふふ、じゃあ……ボタン、取っちゃう?」

( *^ω^)「取っちゃう取っちゃう!」

261 :名も無きAAのようです:2012/05/02(水) 23:26:25 ID:ad0K0TfIO
(*゚∀゚)「ぱんぱかぱーん」

Yシャツのボタンが全て外された。
隙間から見える豊満な谷間、ちょっこりと可愛いおヘソ、あまり自己主張の無いパンツ、全てがいとおしい。

(*゚∀゚)「指名してくれたわけだし……ちょっとサービスしなきゃね……」

(;*゚ω゚)「お」

つーの顔が近付くと同時に、股間を優しく撫で回され始めた。

(;*^ω^)「ちょ、いいの?そういうの……」

(*゚∀゚)「ん?何が?」

(*゚∀゚)「あたしはぁー、ただ単にお兄さんの太もも近くに手を起きながらイチャイチャしてるだけだよ♪」

そう言いながら、可愛らしく笑いかけてくる。

( *^ω^)「言うおねwwじゃあ、僕もちょっとイチャイチャさせてもらおっかな……」

(*ー∀゚)「やーん///ww」

試しにパンツに手を持っていったら、すんなり通してくれた。
そして、なんというか。うん。

( *゚ω゚)「ぐ、ぐしょ濡れやないすか……」

(*゚∀゚)「えへ、お兄さんも、かっちかちだよ……へんたーい」

( *^ω^)「どっちが変態だおwwこんなにしてww」

(*゚∀゚)「あははwwwさ、じゃあ……もっとエッチな事させてもらおっか」

首に手を回しつつ、こちらにまたがってくるつー。

いわゆる対面座位のような形になった。
そして目の前にはYシャツが機能していないほどさらけ出されたおっぱい。
そして。

(*ー∀゚)「ほらほらww」

( *^ω^)「うお」

僕のがちがちの具足に、ぐしょ濡れのつーのそれが擦り付けられる。
服の上だと言うのに、これがかなりの気持ち良さだった。


262 :名も無きAAのようです:2012/05/02(水) 23:33:24 ID:ad0K0TfIO
(*゚∀゚)「ねぇ、どう?」

( *^ω^)「すっげ、興奮します……」

(*゚∀゚)「そう?じゃあ……」

(*゚∀゚)「生で触ってあげようか?」

( *^ω^)

( *゚ω゚)「え、いいの……?」

(*゚∀゚)「えへへ、ボーイさんにバレたら怒られるけどね……いや?」

( *゚ω゚)「ぜ、ぜひ!」

(*゚∀゚)「えへへ」

そうしてつーは
焦らすような目付きでベルトを緩めて、ゆっくり股間に手を伸ばし、

その指先が僕の亀頭に触れ……



(;*゚ω゚)「あ、やばい」

(*゚∀゚)「え?」

( *゚ω゚)「 う う っ !」




……僕は射精した。

266 :名も無きAAのようです:2012/05/02(水) 23:42:55 ID:ad0K0TfIO

その後の精液処理が意外と面倒で、つーがおしぼりである程度拭いてくれたのだが
トランクスへの被害が意外と尋常じゃなく
トイレに行って自分で処理をした。
なんだか、夢精のような悲しい気分になった。



( ´ω`)「……ふぅ」

(*゚∀゚)「ごめんね、こんな事なら……」

(*゚∀゚)「飲んであげれば良かったね」

( ^ω^)

( ^ω^)「マジで?いいの?」

(*゚∀゚)「んー……」

(*゚∀゚)「次、指名してくれたらね♪」


裸Yシャツの神様、どうもありがとう。

268 :名も無きAAのようです:2012/05/02(水) 23:47:07 ID:ad0K0TfIO

( ∵)「ありがとうございましたー」

( ^ω^)「あの」

( ∵)「? はい?」

( ^ω^)「メンバーズカードって、どうやったら作れるんですか?」

( ∵)「! あぁ、それでしたら……」





その後合流した話によれば、モララーもどうやら手で出してもらったらしく。

唯一健全に(?)遊んだショボンは
溜まりに溜まったムラムラを吐き出しに、一人でピンサロに行っていた。
僕らは外のワンショットバーで、それを待っていた。

あの時の酒は、間違いなく勝利の味がした。


おしまい。


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目次へ

( ^ω^)大物バンドが来日したようです 

4 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2012/04/18(水) 22:59:44.16

十六日に待望の初来日を果たした米国を代表するロックバンド・VIPが昨日、
合計三十三カ国を巡る結成二十周年記念ツアーの日本公演を開始した。
この長期大型巡業は先日リリースされたアルバム『フロム・シベリア』の宣伝を兼ねており、
それもあってか新譜からの曲を大いに盛り込んだステージとなった。
キャリア初の日本でのライブということもあり会場に詰めかけた二万五千人のファンは熱狂。
改めてアメリカだけに留まらない世界規模のVIP人気を確認することになった。
既に各メディアはスケジュールを押さえ、彼らに直撃インタビューを敢行する構えである。

                                    (記事全文・鳥山クックル)



           4/18付 ニューソクスポーツ一面記事
 


5 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2012/04/18(水) 23:00:26.17
~楽屋~


オツカレサマデシター

('A`)「テレビ局の取材は終わり、か……」

(´・ω・`)ギュイーンピロピロ

( ^ω^)「ああ疲れた。朝から質問攻めで困るお」

( ^ω^)「おいマネージャー、次の予定はなんだお」

(-@∀@)「はい。えーと、ロック専門誌『ラウド・ラウンジ』のインタビューになりますね」

( ^ω^)「ああ、例の雑誌かお。何度か電話応対したことあるお」

(´・ω・`)ギュイーンピロピロ

( ^ω^)「うるせぇ」

(´・ω・`)「ごめん」

7 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2012/04/18(水) 23:02:22.89

ついに来日したVIP。『最後の大物』と呼ばれるビッグネームであるだけに、
日本ツアーを待ち焦がれていたファンも多かったことであろう。
しかし、同時に現在の彼らに不安を抱いていたファンも少なからずいたはず。
長年看板を務め続けたボーカリスト、カイル・シャーキンの突然の脱退。
直後に伝えられた新ボーカル、フサ・ワイルドの加入。
多くの噂が渦巻いた交代劇であったが、それらの疑惑を含め、
ラウド・ラウンジ編集部がVIPに直撃独占取材を行った。



                    インタビュワー:猫原ギコ
                    訳:砂尾クール

9 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2012/04/18(水) 23:05:39.86
――まずはバンド結成二十周年、おめでとうございます。

ブーン・ホライゾン
「ありがとう。といっても、個人的には二十年という月日に対して実感はないんだ。
 なぜなら僕たちがデビューしたのは結成から五年経った一九九七年のことだからね」

――バイオグラフィー的な意味も込めまして、当時のメンバーは?

ブーン
「一番初めからかい? そうだな。まず、今も残っているのは僕しかいないね。
 始まりはハイスクールの友人二人を集めたちっぽけなお遊びバンドだったんだよ。
 三人の頭文字を取って『BIP』と名乗っていたんだけれど、それじゃあまりにも間抜けだったから、
 『VIP』に名前を変えたのさ。特別な感じがするだろう?」

ドクオ・ウッツ
「俺が加入したのはベースをやっていた男が学業を優先するだかで抜けて、
 ブーンが誘ってきたのがきっかけだった。俺たちは何度かライブハウスで顔を合わせていたんだ」

ブーン
「それからしばらくスリーピース体制でのバンドが続いたよ」

ドクオ
「ああ。あの頃は俺とブーンが交互にボーカルを取り合うスタイルだった。
 演奏はクールだった自信はあるが歌は残念ながら不評だったよ(笑)」

12 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2012/04/18(水) 23:12:39.25
――いつ頃から専任ボーカルを迎え入れることになったのですか?

ブーン
「バンドを組んで三年が経過した頃だね。VIPには歌のうまいボーカリストが必要と感じたんだ。
 理由は簡単で、僕が歌っていたのでは未来がなかったからさ」

ドクオ
「だが、そうそう名シンガーは捕まえられるもんじゃない。
 俺たちが求めるタイプのボーカリストは中々見つからなかった。
 だがある日、素晴らしい声の持ち主をテキサスで見つけたんだ」

ブーン
「それがカイル・シャーキンだった」

ドクオ
「俺たちは虜になったよ。ストロングなハイトーンボイスで、たまらなく扇情的に歌うんだ。
 これだ! と即座に思ったよ。だけどシャーキンは既に別のバンドで活動していた。
 だからまずは一ステージ二百ドルで雇って、少しずつ俺たちの中に溶け込ませていったのさ
 幸い、シャーキンは所属しているバンドよりも、VIPが気に入ってくれてね。そのまますんなり加入したんだ」

14 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2012/04/18(水) 23:20:13.97
ブーン
「シャーキンを迎えた僕たちはすぐにレコード会社の目に止まった。
 元々楽器陣のサウンドには自信を持っていたからね」

――それでファーストアルバムの『VIP』でデビューをしたんでしたね。

ブーン
「そう。だけど、知ってのとおりドラマーが病気を理由にこの一枚で辞めてしまってね。
 モナーが加入したのはその時期だ」

モナー・オールドマン
「夜中の三時に電話が掛かってきたから驚いたよ。
 酒を飲んでベッドで寝転がっていたらいきなり起こされてね。今でも覚えている(笑)」

ドクオ
「モナーの奴は当時から腕利きのドラマーだったが、いかんせん渡り鳥気質でね。
 ひとつのバンドに定住することはなかったんだ。
 フリーの期間が長い男だから、いちかばちか勧誘してみたんだよ」

モナー
「結局、それが俺の墓場になっちまったけどな(笑)」

16 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2012/04/18(水) 23:34:32.72
ブーン
「僕、ドクオ、シャーキン、モナー。だからこれが、事実上のオリジナルメンバーになるかな。
 この四人で活動していた期間が一番長いからね。
 二十年のうちの、およそ半分はこの面子で過ごしてきた」

――ファンの間で名盤とされる『トゥー・ザ・ヘブン』『ウルヴズ』もこのメンバーによるものでした。

ドクオ
「セカンドアルバムとフィフィスアルバムだな。
 『トゥー・ザ・ヘブン』ではモナーのダイナミックなドラミングが聴ける。
 こいつは俺たちもお気に入りで、タイトルトラックはライブでは外せなくなっているよ」

ブーン
「『ウルヴス』は三十を過ぎて初めて作ったアルバムだったな。
 意識はしていなかったけど、落ち着いた雰囲気の作品に仕上がっている」

――そんな中、もう一人のギタリストとして招かれたのがショボン・オメガでした。

ブーン
「以前にも話したと思うけど、彼の加入は本当に必要に迫られてのことだったんだ
 VIPはギターを中心にすえたバンドだけれども、
 どうにも年々サウンドに厚みが足りなくなっているように感じたんだよ。
 それはギターを弾く僕自身が一番痛感していた」

18 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2012/04/18(水) 23:44:35.86
ショボン・オメガ
「そんな時、ブーンが僕に連絡をくれたんだ。二〇〇八年のことだ」

ブーン
「ショボンが売れっ子のスタジオミュージシャンとして活動していることは知っていたんだ。
 彼のような技術的に優れたギタリストが加わってくれれば、
 きっと僕に不足している部分を埋めてくれると、そう思ってね」

ショボン
「二つ返事でオーケイしたよ。VIPは国民的スターバンドだったからさ」

――翌年リリースされた『ノット・マネー』は好評でした。

ドクオ
「不安だった部分が大きかったからこのアルバムの成功には安堵したよ。
 今更メンバーを増やしてどうなるんだという声が大きかったのでね」

――確かに、ファンの間では「今になって?」という気持ちがあったことは否めません。
   ですが蓋を開けてみれば、煌びやかなギターサウンドはVIPに新しい風を吹き込んでいました。

ショボン
「それは心から喜べることだよ。VIPには”四人組”の印象が既に根付いていたからね。
 新参者に対してあまりよくない目が向けられるんじゃないかと内心おびえていたんだ。
 だからファンが僕の存在を受け入れてくれたことには今でも感謝している」

20 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2012/04/18(水) 23:52:49.59
――ショボンさんを迎えた新生VIPは、まさに磐石と呼べる体制でした。ですが……。

ブーン
「ああ。訊きたいことはわかる。なぜシャーキンが脱退したかだろう?」

――ええ。そのことに関して様々な噂が飛び交っているようですが。

ブーン
「そんなに厄介な問題じゃないんだ。喧嘩別れというわけでもないしね。
 ただ、彼が自分のペースで活動したいと僕たちに打ち明けたんだ。
 VIPは今でも年に百日以上はライブステージに立ち続けているから、
 きっと彼は自分の時間が欲しかったんだろうな。
 無理に引き止めるのもお互いにとってよくないだろうから、彼の申し出を了承したのさ」

モナー
「だから不仲というわけじゃない。むしろ未だに良好な関係は続いているよ。
 シャーキンのソロデビューアルバムに俺はドラムとして参加する予定だしな」

ブーン
「僕が製作しているソロアルバムでも、彼に一曲歌ってもらうつもりさ」

――それは安心しました。

23 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2012/04/19(木) 00:06:50.03
ドクオ
「そんなことより、俺たちとしては新メンバーのフサについて質問してほしいね」

――失礼しました。では、フサさんにインタビューさせてもらいます。

フサ・ワイルド
「よろしく頼むよ」

――プロフィールを見ますと、これといった経歴は見当たりませんが……?

「オーディションを受ける前はデトロイトの車の整備工場で働いて、
 地元のコピーバンドで週末ひっそりと歌うような、そんな生活だった。
 VIPがニューシンガーを探しているという一報を聞いたときも、駄目元で応募したんだよ。
 それがまさかの合格さ! 元々VIPのファンだったこともあって歓喜したよ」

モナー
「一人だけ飛びぬけてインパクトがあったからな。
 髭面で、とんでもなくパワフルな声で歌うもんだからさ」

ドクオ
「即決だったよ。こいつしかいねぇ! ってな(笑)いやいや実際衝撃的だった」


24 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2012/04/19(木) 00:11:45.03
――『フロム・シベリア』を聴く限りでは、前任者とはタイプが大きく違いますよね。

ドクオ
「別物だね。シャーキンは伸びやかなハイトーンを武器にしていたけれど
 フサの歌唱スタイルはもっと攻撃的だ。声質もハスキーだしね」

ブーン
「僕たちは強烈な個性を求めていた。
 仮にシャーキンと同じタイプの人間を選んだとしても、シャーキンと比べられるだけだ。
 それよりは全く違うタイプのシンガーを迎えたほうが絶対にいいと思ったんだ」

ショボン
「うん。僕が言うのもなんだけど、VIPは現在進行形のバンドだからね。
 新しい要素を取り入れていくことで成長していくんだ」

ブーン
「だけど、声域自体にはなんの問題もないから過去の曲も歌いこなしてくれる。
 さすがに高音はシャーキンほど強靭じゃないけど、中音域で歌う曲はむしろフサのほうが向いている。
 これには驚いたよ。シャーキンの声を基準に作った曲がフサにぴったり合ってしまうんだからね」

フサ
「VIPの曲を、VIPのステージで、VIPのフロントマンとして歌っていることが今でも信じられないよ。
 毎日が夢心地さ。未だに慣れない(笑)」

26 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2012/04/19(木) 00:19:46.87
――昨夜のステージでは堂々たる立ち振る舞いでしたが。

ブーン
「フサは逸材シンガーだよ。VIPのボーカルを立派に務め上げてくれている。
 彼によってVIPはますますいい方向へと進んでいくだろうね」

モナー
「新作ではこれまでのスタイルを踏襲した楽曲を収録したけれど、
 次回のアルバムではフサの意向を聞いて実験的なアルバムを作りたいね」

ドクオ
「もしかしたら彼自身にもペンを取ってもらうかもな」

――最後にこのページを読んでいる方にメッセージをお願いします。

ドクオ
「中々機会がなくて来れなかった日本にようやく来ることができて最高だ」

ブーン
「日本のファンにも是非僕たちのライブを楽しんでもらいたいね」

――本日はありがとうございました。

29 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2012/04/19(木) 00:24:58.26
~楽屋~


オツカレサマデシター

( ^ω^)「ようやく終わったお……はあ」

( ´∀`)「休憩まだー?」

(-@∀@)「次の予定はブーンさんとショボンさんだけですね」

('A`)「えっ、じゃあ俺は休めるの?」

(-@∀@)「ギター雑誌の取材ですから」

(´・ω・`)「日本のギターマガジンというと……あ、もしかしてロビー・ギターズ?」

(-@∀@)「そのまさかです」

( ^ω^)「あそこ慣れなれしいから苦手だお……」

33 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2012/04/19(木) 00:31:32.34

九七年のデビュー以来ハードロックサウンドの”王道”を行くVIP。
長年望まれていた来日公演がついに実現!
日本縦断ライブ・サーキット実施中という忙しいスケジュールの間隙をつき、
VIPサウンドの核を担うギターチームの二人に突撃インタビューを決行したぞ!!
ロビー・ギターズ読者の皆、刮目せよ!!




                        聞き手:河内ミルナ
                        訳:斉藤またんき

37 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2012/04/19(木) 00:40:29.21
――前作『ノット・マネー』から華やかなツインギター体制になったわけだけど、
   今回でもそのサウンドスタイルには変化なし?

ブーン・ホライゾン(以下BH)「当然」

ショボン・オメガ(以下SO)「むしろ、よりギターを前面に押し出してるよ(笑)」

――アルバム一曲目からリズミカルなリフが炸裂するね。
   耳にした感じでは、今までのVIPにはない新鮮なサウンドに聴こえたけども。

BH「そう! あのリフはショボンのアイディアだ。かなり技術的にも難しい」

SO「六弦から四弦にまたがる分、音程差がついて緊張感を演出できるんだ」

――今作ではシンガーの変更に合わせて意図的にサウンド面でも狙った部分はある?

BH「それは関係ないな。むしろ、フサ(・ワイルド)のアイディアはほとんど含まれていない。
   ショボンが参加して二枚目ということで、彼に自由にやらせてみた部分が大きいな」

SO「ブーンからは作曲面で多くのことを学んだから、僕なりの解釈を加えてみたんだ」

BH「俺以外にギターを弾ける人間がいるということは大きいよ。
   何よりレコーディングで楽できるしな(笑)」

38 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2012/04/19(木) 00:49:20.25
――ギターソロの配分はどんな感じ?

BH「俺は今回ほとんどソロは弾いていないな。十一曲中、二曲で掛け合いソロをやったくらいだ。
   というより仕事自体が今までと比べて圧倒的に少ない。
   ショボンとドクオが書いてきた曲にボーカルのメロディーラインを乗せた程度だよ」

――前作ではソロの割り当ては半々と語っていたけれど。

BH「『ノット・マネー』はショボン初参加ということで俺が手本になる必要があったが、
   彼がすっかり馴染んだものだから、俺は一歩引くことにしたんだ」

SO「おかげで伸び伸びとギターソロのレコーディングができたよ」

――確かにこれまでになくソロパートが充実しているね。
   特に四曲目ではかなり長い、それでいて飽きさせないギターソロがハイライトになっている。

SO「あのソロは僕にとってもフェイバリットだ。
   テクニックだけじゃなく、フィーリングがあるからね」

BH「ショボンが信じられないくらい凄いソロを弾くもんだから、
   スタジオで俺は引っくり返りそうになったよ」

40 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2012/04/19(木) 00:59:35.57
――あとひとつ、演奏がいつもよりタイトに思えたんだけども。

BH「それはプロデューサーのモラル(・ギャクタイネン)のおかげだな。
   欧州にモラルという敏腕プロデューサーがいると小耳に挟んでね。、
   フィンランドのスタジオに機材を持ち込んで、そこでレコーディングしたんだ」

SO「それとジャック・ダニエルの瓶を大量にね」

BH「ああ、そいつを忘れてた。一番の重要物件だ!(笑)」

――(笑) 異国でのレコーディングはどうだった?

BH「特別苦労したことはないね。ただ、食べ物には少し困ったかな。
   特に俺の好物のピザだ! ヨーロッパのピザは薄いんだ。
   シカゴのディープディッシュピザが恋しかったよ」

SO「あれは最高。分厚い生地に、たっぷりチーズとミートソースを乗せてね。
   僕としてはニューヨークスタイルのピザのほうが若干好みだけどさ」

BH「そいつもいい。だけど俺はシカゴピザが一番なんだ」


41 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2012/04/19(木) 01:13:11.49
――では、今作における使用機材を。

BH「まずアンプはいつもと同様にメサ・ブギーのデュアルレクチファイアーを使った。
   何曲かでモラルが所有していたマーシャルのヘッドを使ったけれど、
   どの曲だったかは覚えていないな。クリーンはフェンダーのツインリバーブ」

――同じとは意外。音を聴いた限りでは何かしら変更があったように思ったけども。

BH「モラルのプロデュースのおかげだな。よりソリッドに聴こえただろう?
   ギターはこれまたいつもと同じ、ギブソンのエクスプローラー・ゴシックだ。
   フロント、リアともにEMGピックアップスがマウントしてある。
   俺はもう一本型番違いのエクスプローラー・ゴシックを持っているんだけど、
   そっちはネックがやや薄いから単音弾きの間奏に向いている。
   だからソロアルバムではそっちを使うつもりだよ。
   ペダルはワウくらいだ。あとはミックスダウン段階で掛けてもらっている」

SO「僕はバッキングのメインはスタジオにあったギブソンレスポールだ。
   弾き心地といい音といい素晴らしいギターでね、永久貸し出しを希望したくなったよ(笑)。
   それ以外だとポールリードスミスを何本か。アンプもブーンと同じメサ・ブギーだよ。
   あと、せっかくヨーロッパに来たということでドイツのメーカーであるエングルのアンプを試したりもした。
   エフェクターはチューブスクリーマー、モーリーのワウ、MXRのフェイズ90……色々使ったな」

43 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2012/04/19(木) 01:20:28.67
――ありがとうございした。最後に何か一言あれば。

BH「近頃は音の厚みを増すときはコードの裏でピアノを鳴らしたり、
   あるいは隙間をシンセサイザーで埋めたり……そういうやり方が主流だ。
   だけど俺たちは真っ向から否定するね。
   ギターに隙間があったら、ギターで埋めればいいんだ」

SO「ロックバンドの基本は骨太なギターサウンドだ。それを忘れちゃいけない」

BH「それと、ロックには酒が付き物だ。
   日本を訪れて一番でかいと感じた点はいつでもどこでも簡単にアルコールを買えるところだ!」

――飲みすぎには注意してよ(笑)

SO「どうだろうね。ブーンは暇があれば、片手にビール瓶を握り締めているような人間だから」

BH「まあな。ライブでは酔っぱらってまともに演奏できなくならないよう気をつけるよ(笑)」

44 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2012/04/19(木) 01:25:45.63
~楽屋~


オツカレサマッシター

(;^ω^)「だるいお……なんで本番前にバテてるんだお僕は」

(´・ω・`)ギュイーンピロピロ

( ^ω^)「もうちょっと隅っこで練習してくれお」

ミ,,゚Д゚彡「次のスケジュールはどうなっているんでしょう?」

(-@∀@)「今度は一般音楽総合誌の記者が来ます」

('A`)「ちっとも取材が途切れないな」

(-@∀@)「今度はリーダー単独ですね」

( ^ω^)「僕の休憩はいつなんだお」

46 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2012/04/19(木) 01:31:57.23

今月の洋楽特集記事は初来日となるロックバンド”VIP”にスポットを当てる。
年表と共に送るバンドの軌跡、ディスコグラフィーを中心に、
専門家が挙げる名盤とその解説などをお届けしていく。
洋楽初心者のあなたもこれを気に興味を持ってみてはいかがだろうか。
またバンドを率いるブーン・ホライゾン氏の独占インタビューも掲載。



                            記事全文:若枡ベルベット

48 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2012/04/19(木) 01:42:17.85
――それでは、よろしくお願いします。

ブーン氏「よろしくお願いします」

――まずは簡単な略歴のほどをお願いできますでしょうか。

ブーン氏「我々は一九九七年にデビューアルバムを発表して以来、
      今日まで自分たちが思い描く理想のロック・ミュージックを追求してきました。
      今回、ようやく日本のファンの方々と触れ合える機会を設けてもらい、大変光栄に思っています」

――日本国内でも絶大な人気(※1)を誇っておりますが。
   (※1 洋楽チャートでは常に一位を獲得し、『フロム・シベリア』も例に漏れず初登場首位)

ブーン氏「非常に喜ばしいことです。我々はライブバンドであるという自負がありますので、
      そうした側面からのアピールを行ってないのにもかかわらず……ですから。
      ですので今回のツアーでは私たちの魅力を存分に伝えられると思います」

――ファンの間では前任ボーカリスト(※2)との確執が噂されています。
   誠に恐縮ですが、そちらについて語っていただけることは可能でしょうか。
   (※2 カイル・シャーキン氏。現在はVIPを離れソロ活動をスタートしている)

ブーン氏「いえ、関係が悪化したということはありません。彼とは現在も交流が続いています。
      音楽性の相違などというわけでもなく、ただ、単純に彼の心境、モチベーションの問題でした」


49 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2012/04/19(木) 01:53:33.68
――では、新しいボーカリストであるフサ・ワイルド氏は、
   どのような経緯でVIPへの加入が決まったのでしょう?

ブーン氏「当初の予定では、私はフランス人シンガーのジョルジュ(※3)を誘うつもりでした。
      ですが、過去にアメリカとヨーロッパの混成バンドが、
      主に地理的な理由で失敗していくのを目にしていたために、これは白紙になりました。
      そこでオーディションを行うというアメリカ各地の紙面に掲載してもらったのです」
      (※3 フランスで活動するソロ・アーティスト)

――公募したのですね。

ブーン氏「そうなりますね。そこに、一通の手紙とCD-ROMが送られてきました。
      それこそがフサのデモ音源で、何曲かの私たちのナンバーを見事に、
      かつ大胆なアレンジで歌いこなしていたんですよ。
      私たち一同、稲光が走ったかのような衝撃を受けました」

――直接会ってオーディションも行ったと思います。どのような具合だったでしょう。

ブーン氏「はい。他に気になった人物と一緒にスタジオに招いて審査しましたが、
      やはりそこでもフサが群を抜いて素晴らしいパフォーマンスをしてくれました。
      彼しかいない、と満場一致で決まりましたね」


50 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2012/04/19(木) 02:03:25.60
――新たなラインナップで望んだ新作『フロム・シベリア』ですが、
   こちらに関する率直な本人の感想はいかがでしょう?

ブーン氏「自画自賛になりますが、非常に気に入っています。
      何よりもフサの力強い歌唱が素晴らしい。
      この魅力を一人でも多くの方に、ライブ会場で生でお届けしたいと思います」

――やはりライブこそが本領なのですね。

ブーン氏「もちろん。最高のステージを用意することを誓います。
      セットリストは新作からの曲を中心に、人気の楽曲をプレイしていきます」

――ライブでの見所などありましたら。

ブーン氏「先程話したとおり、まずはフサの歌になりますね。
      他にはモナー・オールドマンのドラミングは円熟味を増し、
      今が全盛期といえるほどのサウンドを聞かせてくれますので注目してください。
      ドクオ・ウッツは普段は目立ちませんが、堅実な仕事をしてくれます。
      私とショボン・オメガのギターワークにも耳を傾けてくだされば嬉しいです」

――本日はお忙しい中本当にありがとうございました。

ブーン氏「はい。ありがとうございました」

53 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2012/04/19(木) 02:07:27.17
~楽屋~


オツカレサマデシタ。コンゴモヨロシクオネガイモウシアゲマス

( ^ω^)「マネージャー!」

(-@∀@)「はいはい」

( ^ω^)「あとどのくらいあるんだお」

(-@∀@)「さっきので雑誌取材は終わりですよ」

ミ,,゚Д゚彡「では、そろそろ軽くリハでも……」

(-@∀@)「いや、まだテレビ向けの仕事が残ってますよ」

( ^ω^)「えー」

(´・ω・`)ギュイーンピロピロ

('A`)「その曲しか弾けんのか」

55 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2012/04/19(木) 02:18:12.50
ナレーター:伊与田いょぅ


先日待望の初来日を果たしたアメリカのロックスター『VIP』が、
福岡のヤフーBBドームから北上する全国ツアーを開始しました。
生で見るド迫力のVIPのステージにファンは大・大・大熱狂~。
あらら、中には興奮して上半身裸になる人もいたりして!

そんなVIPのリーダーであるブーンさんから、
なんと日本語でメッセージが届いています!


( ^ω^)「ハイ! ニッホンノミナスァン、ヴィップノブーンディス。
      ボックータチノー、ライヴ、ミニキッテクダサーイネ。
      アッコニーオマカセー」

56 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2012/04/19(木) 02:19:02.56
あっこにおまかせワロタ

57 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2012/04/19(木) 02:23:01.72
~~


オッツァッシター

( ^ω^)「変な外人って思われるんじゃないかお」

('A`)「気にするな」

( ^ω^)「そんなことより、さすがにもう終わりじゃないのかお!?」

(-@∀@)「まだDVDに収める特典映像のシューティングがありますよ」

( ´∀`)「寝たいモナ」

(-@∀@)「それとブーンさんはアルバムの宣伝用の映像撮影も行いますので」

( ^ω^)「僕の仕事量はどうなってるんだお」

(-@∀@)「円高だからジャパンマネーを存分に獲得してこいとの社長連絡が」

('A`)「外タレのいやらしいところを公開するな」

(´・ω・`)ギュイーンピロピロ

60 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2012/04/19(木) 02:31:15.95
~女子校内~


ζ(゚ー゚*ζ「ねーねー、昨日のBS見た?」

ξ゚⊿゚)ξ「いや見てないけど。何があったの?」

ζ(>ー<*ζ「VIPのライブがちょっとだけ流れたの! かっこよかったー!」

ξ゚⊿゚)ξ「あー、あんたあのバンド好きだったっけ」

ζ(゚ー゚*ζ「早く見に行きたいなぁ……名古屋公演が待ち遠しいな」

从 ゚∀从「なになに、なんの話? 混ぜて混ぜて」

ξ゚⊿゚)ξ「いや、今来日してるっていうVIPの話題」

从 ゚∀从「おっ、聞いたことあるな。弟の読んでる雑誌に載ってたっけ」

(*゚ー゚)「日曜日にお昼の番組に少しだけ出てたよ」

ζ(゚ー゚*ζ「嘘っ!? バイトさぼればよかった~」

62 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2012/04/19(木) 02:38:07.85
ξ゚⊿゚)ξ「そんなはまるもんかね」

ζ(゚ー゚*ζ「一回聴いたらわかるよ!
       って、ツンにはアルバム新作以外全部貸してるでしょ」

ξ゚⊿゚)ξ←GEOに売った

ξ゚⊿゚)ξ「うん、まあ、そのうちわかるかな、うん」

(゚、゚トソン「そんなデレのためにラウド・ラウンジの今月号を買ってきましたよ」

ζ(゚ー゚*ζ「わっ! 十四ページもインタビューがある! 完全に私得!」

(*゚ー゚)「む、貪るように読むね……」

(゚、゚トソン「私も参考にと思って拝見させていただきましたが、
     これは熱意のある方しか読破できないのではないかというほど濃密な内容でした」

从 ゚∀从「あんなおっさんによくそこまで入れ込めるわい」

(*゚ー゚)「確かにおじさんだったかな……ちょっと太めの」

ξ゚⊿゚)ξ「デレ=中年マニア説浮上」

ζ(゚ー゚;ζ「ひどっ! もう、みんなVIPにどんなイメージ持ってるのよ」


63 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2012/04/19(木) 02:44:05.13
从 ゚∀从「えっ、どんなイメージって……」

(゚、゚トソン「ううん……」

(*゚ー゚)「ええと、素直な感想でいい?」

ξ゚⊿゚)ξ「私がいつも買ってる雑誌にも特集載ってたけど、それ読んだ感じだと」

ζ(゚ー゚*ζ「うんうん」

(゚、゚トソン「真面目かつ相当に弁が立つ方かと」

从 ゚∀从「酒浸りの荒っぽいオヤジ」

ξ゚⊿゚)ξ「なんかロックっぽくないめちゃくちゃ丁寧で腰低そうな人」

(*゚ー゚)「面白い外人さん」

ζ(゚ー゚*ζ「なにそれ」







                               ~おわり~

65 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2012/04/19(木) 02:46:27.07
あとがき

みんな翻訳記事には気をつけよう
一人称「I」を平気で僕・俺・私で使い分けてキャラクターを後付けしてくる
奴等は危険だ




ブーンお誕生日おめでとう!


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