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(´・ω・`) ホムンクルスは生きるようです 第1話 

1 :名も無きAAのようです:2011/11/29(火) 23:02:05 ID:kQM0QRhk0
錬金術によって生み出された、奇跡の種。

数多の研究と試行の結果から生み出されたそれの製造方法は不明。
作り出した術師は既にこの世にいない。

それから生まれる人の形を模した者は


──決して老いず

──決して衰えず

──決して死なず


己の存在理由を知るために、ただ生き続けている。

人はそれをホムンクルスと呼んだ。

2 :名も無きAAのようです:2011/11/29(火) 23:02:55 ID:kQM0QRhk0


1 ホムンクルスは戦うようです


3 :名も無きAAのようです:2011/11/29(火) 23:11:34 ID:kQM0QRhk0


(´・ω・`) 「ここはどこだ……?」

目が覚めたらベッドに寝ていた。
一体ここに来る前に僕は何をしていたのだろうか。

全く思い出せない。

部屋の中は綺麗に整頓されている。
家具類は少なく、持ち主を特定できそうなものは無い。

どこの家にも当たり前にあるものばかりだ。

身体を布団から起こそうと思ったけれども、力が入らなかった。
首だけを動かして窓の外を見る。

どうやら都市ではなく辺鄙な村のようだ。
耳を澄ませば、川の流れが聞こえてくる。

僕は、僕自身が誰なのか覚えていた。
だから、記憶喪失じゃないだろう。

(´・ω・`) 「ふむ……」

やはり動けないので、諦めて天井を見ていた。

暫くして、ノックとともに扉が開く。

5 :名も無きAAのようです:2011/11/29(火) 23:21:06 ID:kQM0QRhk0

('、`*川 「失礼します」

入ってきたのは妙齢の女性。
見た目で言えば、僕より二つ三つ年上だろうか。

年をとらない僕基準に考えても仕方ないか。
おそらく20と少しといった雰囲気を感じるけれども、
そういった年齢を予想するのはあまり得意じゃない。

(´・ω・`) 「どうして僕はここに?」

('、`*川 「うちの夫が山から連れて来たんです。どうやら倒れていたそうで……」

(´・ω・`) 「ああ……」

やっぱりか、といったところ。
また、腹をすかせて倒れてしまったようだ。

不死のホムンクルスと言えども、エネルギーがなくちゃ動けない。
家がない僕は、こうして倒れたことが何度もあった。

そのたびに、こうやって見ず知らずの人にお世話になっているわけだ。

(´・ω・`) (それにしても戦争が無くてよかった……)

('、`*川 「とりあえず、これでも食べてください」


6 :名も無きAAのようです:2011/11/29(火) 23:29:30 ID:kQM0QRhk0

(´・ω・`) 「ありがとうございます」

差し出された料理をゆっくりと口に運ぶ。
この家の料理は今までで三番目に美味しいかな、と失礼なことを考えていた。

('、`*川 「お口に合いますでしょうか?」

(´・ω・`) 「ええ、とても」

('、`*川 「それはよかったです……。ところで、どうして山の中に倒れていたんですか?」

その質問には答えられない。
何で山にいたのか僕にも思い出せないからだ。

(´・ω・`) 「旅の途中だったんですよ。食料を切らしてしまって」

('、`*川 「それはそれは、どうぞこんな料理でよければどんどん食べてください」

お言葉に甘えて、おかわりをいただくことにした。
なかなか僕好みの味付けであり、少しばかり旦那さんを羨ましく思ってしまう。

('、`*川 「これからはどうされるんですか?」

特に決めていなかったけれど、いつもと同じように答える。
どの道、僕にすることは他にないんだから。

(´・ω・`) 「旅を続けます」


7 :名も無きAAのようです:2011/11/29(火) 23:40:51 ID:kQM0QRhk0

('、`*川 「そうですか。どのようなところに行かれてきたのですか?」

見ず知らずの他人に対し、ここまでかまってくれるのも珍しい方だな。
食事の礼はどうせなにもできないのだから、せめて話くらいはするべきか。

(´・ω・`) 「余り大した所入ってません。都にはいくつか行きましたけれど。
       崖の上に立つ町や、堅牢な城などですかね」

('、`*川 「城ですか……私らには縁のない場所ですね……」

別段いい所でもなかったけどね、と付け加えるのはやめておいた。
他人の憧れをわざわざ壊すほど無粋じゃない。
ホムンクルスだって空気くらいよめる。

(´・ω・`) (しかもあの時は、掴まって強制連行だったからね……)

楽しむに楽しめない背景があったことは忘れておきたい。

('、`*川 「私も夫も、生まれも育ちもこの村ですから。
      そういう暮らしをしている方は憧れます」

(´・ω・`) 「ここは……いい村ですね」

お世辞では無かった。
多くの場所を見て回ってきたけど、ここほど安穏とした場所は無かった。
戦争で営みを破壊された村もあったし、疫病で全滅している村もあった。
領主に苦しい生活を強いられているところも。


8 :名も無きAAのようです:2011/11/29(火) 23:48:31 ID:kQM0QRhk0

('、`*川 「ええ。昔からずっと平和な村でした。これからも、きっと平和なんでしょう」

(´・ω・`) 「そうだといいですね……」

長い時を生きていた僕にとって、変化という存在は身近なものであった。
この女性はそうではないのだろう。
だから、、これからもずっと平和だと信じて疑わない。

人は変わる。

町は変わる。

国は変わる。

(´・ω・`) (それを知らないのは、幸せかもしれないな……)

(´・ω・`) 「ごちそうさまでした。何もお礼をできませんが、助けていただき本当にありがとうございました」

('、`*川 「いえいえ。もしよろしければ、ゆっくりしていってくださってもかまいませんよ」

(´・ω・`) 「それには及びません。旦那さんにもよろしくお願いします」

礼を言って立ち去ろうとしたところだった。
ガタン、とひときわ大きな音が聞こえ、熊と見間違えるような大男が入ってきた。

思わず腰の剣に手を伸ばしたが、その手は空を切る。


9 :名も無きAAのようです:2011/11/29(火) 23:54:55 ID:kQM0QRhk0

ミ,,゚Д゚彡 「がっはっは!! 目が覚めたか! 倒れていた時は死んでいるのかと思ったわ!」

村中に響いてるんじゃないかと思えるほどの大声で、男は話しかけてきた。
肩に担いでるのは巨大な斧。

(´・ω・`) (というか人間かよ……僕よりもずっと化物じみてるじゃないか)

('、`*川 「あら、御帰りなさい」

ミ,,゚Д゚彡 「飯はまだか!!」

('、`*川 「ごめんなさい、お客様が全部食べてしまわれたわ。
      今から作り直すし、ちょっとまっててくれる?」

ミ,,゚Д゚彡 「なにぃ!?」

獣のようにぎらつく瞳に睨まれる。
大男が一歩動いた時、僕は殺されるかと思った。
……死なないけれども

ミ,,゚Д゚彡 「あれを全部食ったのか! なかなかいい食いっぷりだ!!
       晩飯はあれだ、俺んとこでくっていけ坊主!」

坊主と呼ばれるほどの年でも見た目でもないつもりだったが、
この人に比べれば僕はまだまだ子供だろう。

10 :名も無きAAのようです:2011/11/30(水) 00:02:15 ID:MSPMHhSQ0

ミ,,゚Д゚彡 「晩飯は大量に頼む。あと酒も用意しておいてくれ」

('、`*川 「わかりました」

(;´・ω・`) 「いや、おいとますると……」

僕の抵抗は空しく終わった。
どの道、剣がなければ旅が続けられない。

ミ,,゚Д゚彡 「ああそうだ、お前さんの剣な、ちぃっと預からせてもらったぞ」

ほい、と軽く放り投げてくるそれは、何とかして受け取った。
旦那さんの方は割と常識人なのかもしれない。

ミ,,゚Д゚彡 「こんな大層な剣持って、どこからきたんでぇ」

(;´・ω・`) 「遠くからです……」

生まれ故郷の地名は覚えていない。
あの時は逃げるのに必死だったから。

ミ,,゚Д゚彡 「ほう……?」

まずはその大斧を置いていただきたい。
そんな物を持って見つめられるこちらの気にもなってほしい。

12 :名も無きAAのようです:2011/11/30(水) 00:09:55 ID:MSPMHhSQ0

ミ,,゚Д゚彡 「まぁいいや。今夜はうちに泊まっていきねぇ。ただし……」

ただでさえ鋭い眼光が一層鈍く光る。

ミ,,゚Д゚彡 「うちの嫁に手を出したら殺す」

(;´・ω・`) (出さないよ……)

そもそも、僕はどちらかといえば年下が好みだ。
とはいっても、ほとんどの人間は僕より年下なんだろうけど。

ミ,,゚Д゚彡 「んで、どこに行くんだ?」

(;´・ω・`) (だから早く斧を置いてくれ……)

僕の視線に気づいたんだろうか、大男は斧を床に────刺した。

(;´・ω・`) (それいいのかよ……?)

ミ,,゚Д゚彡 「どこに行くんだ?」

(;´・ω・`) 「決めてませんよ……風の向くまま気の向くままに進むだけです」

ミ,,゚Д゚彡 「がーっはっはっは!! 気に入った!!」

どうやらこの熊男に気に入られてしまったようだ。
まぁ食事にあずかれるのは素直にうれしいし、話し相手くらいにはなろう。


13 :名も無きAAのようです:2011/11/30(水) 00:17:47 ID:MSPMHhSQ0

大男は聞くよりも話す方が好きらしく、僕は聞き役に徹することになった。
九割が嫁自慢で、一割がこの村のことだった。

ちなみに、嫁の話を区切ったら張り手が飛んできた。
座っていたはずなのに、床に頭を打ち付けるとは……。

(;´・ω・`) (人間だったら死ぬだろ)

この村は自給自足で暮らしており、どこの領主にも属していないそうだ。
それ故に年貢もなく、不自由なく暮らしているらしい。

ミ,,゚Д゚彡 「俺の仕事は概ね狩りだな。他には力仕事とか」

(;´・ω・`) (でしょうね……)

いつの間にか夜になっていた。
どんだけ話が長いんだよこのおっさん……。

('、`*川 「食事ができましたよ」

女性の声が聞こえ、部屋を移動した。
机の上には所狭しと料理が並べられており、酒も大量に用意されている。

ミ,,゚Д゚彡 「さぁ、好きなだけ食ってくれ」

(´・ω・`) 「いただきます」


14 :名も無きAAのようです:2011/11/30(水) 00:29:25 ID:MSPMHhSQ0

(´・ω・`) 「明日の朝、出発します。ほんとにありがとうございました」

ミ,,゚Д゚彡 「おう、そうか」

男は瓶から直接酒を流し込んでいた。
見た目通りの大食感らしい。

('、`*川 「少ないですけど、どうぞ」

差し出されたのは携帯できる食料。
ありがたく受け取って、懐にしまう。

ミ,,゚Д゚彡 「まぁ、なんだ。いつでも遊びに来いよ」

(´・ω・`) 「ええ、また寄らせていただきます」

今までに同じ土地へ戻って来ようと思った事は無かったけれど、
食事もうまくで町も平和なここなら、たまに来てもいいかな、そう思った。

ミ*,,゚Д゚彡 「今度は子どもがいるかもな!! がっはっはっ!!!!」

('、`*川 「あなたったら……お客さんの前で……」

(´・ω・`) ショボーン

別に嫁が欲しいとか思わないけど。
ホムンクルスだからね……。

16 :名も無きAAのようです:2011/11/30(水) 00:46:25 ID:MSPMHhSQ0

結局朝まで酒を酌み交わすことになるとは……。
鼾もまた破格の大音響だな。
それでも平気で寝ている奥さんも奥さんだけれど。

(´・ω・`) 「さて、久々に楽しかったですよ……」

(´・ω・`) (僕は栄養摂取の構造が若干違うからどれだけ飲んでも酔うことは無いんだけどね)

別れを惜しむ気持ちはあるけれども、ずっと同じ地にいることは不幸しか呼ばない。
それは嫌と言うほどよくわかっていた。

(´・ω・`) (さようなら……)

音をたてないようにして家を出た。
あれだけ飲んでればすぐには起きないだろうけどね。

(´・ω・`) 「ん?」

朝日の向こうに何かが見える。

(´・ω・`) 「…………」

僕はすぐにそれが何か分かった。
馬に乗って武装している集団……俗に言う盗賊ってやつだ。

19 :名も無きAAのようです:2011/11/30(水) 00:54:07 ID:MSPMHhSQ0

(´・ω・`) 「人数は……5……6人ってところか」

どこからかこの平和な村の噂を聞きつけて来たんだろう。
朝も早いし、村人も寝ているだろう。真っ直ぐにこちらへ向かってくる。

僕の後ろには一軒の家がある。
僕にとって少しだけ特別な家が。

その主は平時ならあんな集団ものともしないだろう。
今は酔いつぶれている。
ほかでもない、僕のせいで。

ならば、僕のすることは一つ。

(´・ω・`) 「ここは通せない」

馬をとめた彼らと相対する。
僕に気付いた盗賊たちはそれぞれの武器を手に取った。
どうやら話し合う余地は無いようだ。

<ヽ`∀´> 「そこをどくニダ、死にたくないのなら」

(´・ω・`) 「死んでもどかないよ。死なないけどね」

<ヽ`∀´> 「何を言ってるニダ!」

振り下ろされた剣は、僕にとって何ら驚異じゃない。


20 :名も無きAAのようです:2011/11/30(水) 01:02:33 ID:MSPMHhSQ0

<ヽ`∀´> 「!?」

(´・ω・`) 「この程度の実力なら、なんら脅威でもない」

僕は不死のホムンクルスだ。
どんだけ斬られようとも、刺されようとも、殴られようとも死なない。

(´・ω・`) 「でもっ! 痛いのは嫌なんだよねっ!」

軽く受け流し、反撃を試みる。

「親方っ!」

残念、僕の突きはぎりぎりで避けられたみたいだ。

<;ヽ`∀´> 「全員でやるニダ!」

ここからだな……。

右から来た男の剣が僕の右腕を跳ね飛ばした。
腹部に三回、そして多分後ろからも切られた。

留めと言わんばかりに、親方と呼ばれた男が僕の首を貫く。

<;ヽ`∀´> 「どうニダ……。さっさと盗んで次行くニダよ」

(メ ω `) 「          」


21 :名も無きAAのようです:2011/11/30(水) 01:12:58 ID:MSPMHhSQ0

<;ヽ`∀´> 「?」

ああ、喉を潰されてたんだった。
なんて言ったか聞こえないよね。

(メ ω・`) 「待てって言ったんだよ」

数秒のタイムラグで僕の身体は元通りになる。
斬り落とされた右腕は粒子となって再び僕の一部として。

(´・ω・`) 「その家に触るな」

<;ヽ`∀´> 「ひぃぃぃ!! 化物!! 化物ニダ!!」

人間なんて、こんなものだ。
これだけ見せたら、暫くは近寄ってこないだろう。

「殺せ!! 殺せぇ!!」

僕の予想は大きく外れた。
鋭い痛みを感じたけれど、目が見えないせいで確認ができない。

いや、目を斬られたのか、と痛みで気づいた。

どれだけ時間が立ったのだろうか。
復活した僕の目の前には疲れ果てて、怯えた盗賊たちがいた。


22 :名も無きAAのようです:2011/11/30(水) 01:21:48 ID:MSPMHhSQ0

<;ヽ`∀´> 「お前はなにニダ!? 何で死なないニダ!?」

(´・ω・`) 「ホムンクルスだよ」

僕は殺され続けていたんだろう。だから、気づかなかった。
脳まで破壊され続けていたから、時間の経つ感覚が欠如していたのだ。

ミ,,゚Д゚彡 「お前……」

(;´・ω・`) 「!?」

助けに来てくれた男の存在に。
その顔を見れば、全て見てしまったであろうことは容易に想像がつく。

<;ヽ`∀´> 「ヒィィィィ!!」

盗賊の男は仲間を引き連れて逃げて行った。
この場に残されたのは二人。

(´・ω・`) 「失礼します……」

軽く頭を下げて背を向けた。
かけるべき言葉などない。
人間ではない僕を人間が恐れるのは当たり前だからだ。

だけど違った。

ミ,,゚Д゚彡 「……また……」


23 :名も無きAAのようです:2011/11/30(水) 01:29:38 ID:MSPMHhSQ0

ミ,,゚Д゚彡 「また来い…………いつでもだ」

その男は言ってくれた。
こんな僕でも、また来ていいと。

今喋ったら、声が震えてしまうだろう。
だから僕は、立ち去りながら手を振った。

また来るよ、そう言った意味を込めて。

ミ,,゚Д゚彡 「ありがとうっ」

背に男の声を受けて。


人のために戦い、何度も傷ついてきた。

体も、心も。


たった一言で報われた気がした。
救われた気がした。
また来よう、そう心の中で誓って僕はこの村を去ることにした。


1 ホムンクルスは戦うようです  終了



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