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( ;ω;)ζ(;ー;*ζ残念な事になったようです その2 

29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/18(火) 02:37:32.51 ID:PJzlPi/sO

('、`;川「それで」

( ^ω^)「おkおk。ショボンが選んだなら安心だお」

ζ(゚ー゚*ζ「お薬、作ってあげるよ。勿論お金はいらないわ」

('、`*川「本当!?」

聞いた途端、少女の表情が晴れやかな物になった。
胸の前で手を合わせて精一杯喜びを表現している。
デレは立ち上がり、安堵しきっている少女に次の言葉を投げ掛けた。

ζ(゚、゚*ζ「確かにお金はいらないけど……」

('、`*川「?」


30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/18(火) 02:38:36.11 ID:PJzlPi/sO

ζ(゚、゚*ζ「けど、お金じゃない物を頂戴ね」

('、`*川「お金じゃない物?」

少女は聞き返した。
デレは小さく頷いて言葉を続ける。

ζ(゚、゚*ζ「うん。今回の依頼なら君の命で払って貰おうかな」

恐ろしい事をサラリとデレは言い放った。
少女は理解出来ず、ただ困惑している。
それを見てブーンは咳払いを一度し、デレへと注意をした。

( ^ω^)「デレ、言い過ぎだお。もっと優しく」

ζ(゚ー゚*ζ「あらあら、いっけなーい」


31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/18(火) 02:39:49.24 ID:PJzlPi/sO

まるで反省をしていない様子のデレは、少女が分かるように説明する。

ζ(゚、゚*ζ「お金はいらないの。これは分かるよね?」

('、`*川「うん」

ζ(゚、゚*ζ「その代わりになる物を、この店では頂いてるの」

('、`*川「代わりになる物?」

ζ(゚ー゚*ζ「そう。今回は君の命で支払って貰うの」

('、`;川「私の命……」

ζ(゚ー゚*ζ「君が死ぬ代わりにお母さんは助かる。どう? 安い買い物でしょう?」

('、`;川「……………」


32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/18(火) 02:41:26.24 ID:PJzlPi/sO

少女は朧気に理解したのか黙りこくり、視線を地面に落とした。
母親を助ける代価は己の命。
どう? 安い買い物でしょう───。

沈黙を続ける少女を見下ろし、デレは笑顔で付け加えた。

ζ(゚ー゚*ζ「君はまだ小さいから、今回だけ特別に安くしてあげる」

ζ(゚ー゚*ζ「今回だけ、ね。君は死んでも幽霊になれる」

('、`*川「幽霊……」

ζ(゚ー゚*ζ「うん。君はずっとお母さんの側に居られるよ」

死しても尚、永遠に母親の側に居る事が出来る。
価値を計れない幼き少女は、悪魔の囁きに耳を傾けてしまった。

34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/18(火) 02:42:27.49 ID:PJzlPi/sO

('、`*川「それで良いので、お願いします……」

少女は顔を上げて承諾した。
デレとブーンは視線を合わせて微笑む。

ζ(゚ー゚*ζ「ありがとう。これに君の名前を書いてくれるかな」

デレはカウンターに置いてある一枚の紙とペンを少女に差し出した。
それらを受け取り、少女が紙に目を通す。
この国の言語では無い、難解な文字が所狭しと並んでいる。

ζ(゚、゚*ζ「ここね」

デレが中腰になって、紙の一部分を指でトントンと示した。
一筋の線が引いてある。この上に名前を記すのだろう。


35 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/18(火) 02:44:14.78 ID:PJzlPi/sO

('、`*川「はい」

店内の隅にあった木製の椅子を机代わりにして、少女はサインをする。
子供らしい、読み辛い文字が紙に描かれて行く。

('、`*川「いとう、………!?」

最後の文字を書き終えたと同時、少女の身に異変が起きた。
視界が白くボヤけ、凍える寒さが全身を襲う。
細い足は震え、立っている事すら困難なようだ。

( 、 ;川「あ」

小さく一言漏らし、少女は後ろへと倒れ込む。
薄れ行く意識の中で少女は、笑う夫婦の姿を見た様な気がした。

(  ω )ζ( ー *ζ

37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/18(火) 02:45:40.85 ID:PJzlPi/sO

 ごりごりごりごりごりごりごりごりごりごり。

何かを磨り潰している音が少女の耳の奥に響く。
酷く耳障りで、少女は頭痛を覚えた。

(-、-*川「…ん」

少女が徐に目を開ける。
気だるげに眼を擦り視界を鮮明にさせる。
先ず、少女の目に映ったのは天井の木目だった。

('、`*川「ここは?」

次に、少女は身体を起こして周囲を見回した。
薄暗い部屋に、古めかしい箪笥、テーブル、椅子が置かれている。
何処かの民家のベッドに少女は寝かされていたようだ。

('、`;川「……………」

壁を見遣れば二つの扉。

39 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/18(火) 02:47:34.98 ID:PJzlPi/sO

気味の悪い音と、部屋の暗さに少女は怖くなった。
ベッドから降り、辺りを窺いながら一つの扉を目指す。
ドアノブに手を伸ばしたその時、扉は勝手に開いた。

('、`;川「え?」

焦る少女は、扉の向こうに入り恐る恐る見渡す。
埃の臭いが漂う部屋に木製の棚が並べられている。
そこには奇妙な形をした生物が入ったガラス瓶が置かれていた。

('、`;川「何…これ…………」

ガラス瓶の中。この世の物では無い生物達が蠢いていた。
すくみ、立ち尽くす少女は背後に気配を感じ取った。

('、`;川「っ!?」

41 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/18(火) 02:49:01.20 ID:PJzlPi/sO

( ^ω^)「おはようだお」

少女が驚き振り向いた先にはブーンが立っていた。
知っている人間の登場により少女は胸を撫で下ろした。

('、`;川「すみません。私、寝てしまったみたいですね」

( ^ω^)「そんな事は別に良いんだお。
       今、調合が済んだからデレに君の家まで届けさせたお」

('、`*川「本当ですか!?」

先程までの音は薬を調合していた音だったのか。
目を爛々と輝かせ、少女はブーンへと歩寄る。
だが、ブーンの片手に持っている物を見て少女の歩は止まった。

(゚、゚;川「─────」

45 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/18(火) 02:50:23.83 ID:PJzlPi/sO

絶句した少女の目に飛び込んだ物、それは自分の頭だった。
首から下は無く、血がポタポタと垂れ落ちている。
ブーンは掴んでいた頭を軽く放り投げた。

ゴロゴロと、少女の足元にそれは転がって行く。

( ^ω^)「君の身体を磨り潰したお。
       そこに此処にある生物と調合したお」

少女の耳にはブーンの言葉は届かない。
わなわなと震えて足元を見ると、己の顔が少女を睨んでいた。

(゚、゚;川「ひっ!!」

短く大きな悲鳴を上げて少女は駆け出す。
ブーンの脇を通り、一目散に部屋から去って行った。


46 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/18(火) 02:51:28.45 ID:PJzlPi/sO

( ^ω^)「……………」

部屋に残ったブーンはゆっくりと歩き始めた。
そして、少女の顔を拾い上げ空に翳す。

( ^ω^)「お」

苦痛で歪んだ顔を暫し眺めた後、強く握り締めた。
すると、大きな破裂音と共に部屋中に血が飛び散った。
白衣を血で汚したブーンが、ポツリと静かに呟く。



( ^ω^)「お代、確かに頂戴したお」

49 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/18(火) 02:52:36.45 ID:PJzlPi/sO

('、`;川「ハァッ……ハァッ………」

少女は薬屋を出て、急いで自分の家へと向かっている。
空は橙色、買い物袋を提げた主婦達で道はごった返している。
必死に走っていると、角から出て来た人とぶつかりそうになった。

('、`;川「わわっ!?」

少女はぶつかる……筈だった。
しかし、ぶつかる事なく少女の身体はスッとすり抜けた。

(゚、゚;川(……………)

『君は死んでも幽霊になれる』
少女の脳内にデレの言葉が蘇る。
石畳の道を歩く人達は、少女の身体を次々とすり抜けて行く。

52 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/18(火) 02:54:08.26 ID:PJzlPi/sO

頭を振って、少女は再び足を動かせた。

('、`;川(お母さんさえ大丈夫なら……!)

幽霊という存在になっても尚、少女は母親の安否を心配している。
息咳吐いて、階段を下り、橋を渡り、自分の家へと急いで向かう。
町民は少女の存在を知り得る筈も無く、平和な日常を過ごしている。

('、`;川「着いた……」

やがて、少女は町外れに建っている小屋へと辿り着いた。
一般の家屋より遥かに小さく、壁には所々穴が開いている。

そろりと、朽ち果てた扉を開けた。
家の中には病気が治った、元気な母親が居る筈である。

55 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/18(火) 02:55:42.49 ID:PJzlPi/sO

だが、少女が見た光景は凄惨な物であった。
鉄の臭いが立ち込める部屋に人が倒れている。
窓から射し込む橙色の光が、その姿を淡く照らし出す。
母親が床に倒れ、大量の血を流し絶命していたのだ。

(゚、゚;川「あ、あ、あ…………」

声にならない声を出し、少女はその場に崩れ落ちた。
元気になっていると信じていた母親が死んでいる。
声を上げず、涙も流さず、放心状態になる少女。

ζ(゚ー゚*ζ「あーあ、残念だったね」

デレの明るい声が部屋中に余す所無く染み渡る。
少女のすぐ横にデレは立っていたのだった。

60 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/18(火) 02:57:17.16 ID:PJzlPi/sO

ζ(゚ー゚*ζ「ほら、見て見て」

座り込む少女の肩に腕を回し、デレが母親を指差す。
少女は焦点の定まらない虚ろな目で母親を眺めた。

ζ(゚ー゚*ζ「病気はちゃんと治ったんだけどね。
      君が命を差し出したって言ったらこうなっちゃった」

( 、 *川「……」

ζ(゚ー゚*ζ「ごめんねー」

デレの声には全く謝罪の念が込められていない。

ζ(゚、゚*ζ「残念だけど、永遠に独りで生きてね」

デレはそう言うと、少女から離れて外へと出て行った。
一人残された少女は、ようやく声を上げた。

( 、 *川「ははは────」


62 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/18(火) 02:58:37.90 ID:PJzlPi/sO

夜空からブーンとデレは一軒の小屋を見下ろしている。
夫婦の背中には黒い羽がそれぞれ伸ばされている。

( ^ω^)「残念だったお」

ζ(゚ー゚*ζ「ね」

( ^ω^)「助けたかったんだけど」

ζ(゚ー゚*ζ「どこで間違ったのかな」

『間違っていたのは少女の方だ、僕達は何も悪く無いじゃないか』
『私達はただ待っていただけだよ』
夫婦は腹を抱えて大声で嗤う。
そんな夫婦へと一羽のコウモリが舞い寄って来た。

( ^ω^)「ショボン。また頼むお」

ζ(゚ー゚*ζ「今度はもっと可哀想な人を連れて来てね」

65 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/18(火) 02:59:53.29 ID:PJzlPi/sO

ある国にはどんな病気でも治してしまう薬師夫婦が住んでいるそうだ。




興味が湧いた方は一度、尋ねてみては如何だろうか。




 ───貴方の人生が残念な結果に終わらぬ内に。





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